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東京脱出したのに“なぜか仕事が増えた男”が明かす「移住先でも稼ぐために大切な3つのこと」

2021/05/24

 いまだ解除されぬ緊急事態宣言、自粛を強制された繁華街、今日もマスクを着けた人々が息苦しそうな顔で歩いている……。コロナ禍以降、東京の街は住みづらくなった。会社に行く機会も減ったのだから、わざわざ家賃も感染リスクも高い東京に居続けるよりも、田舎に引っ越したほうがいいのではないかと思う人もいるだろう。

 筆者は2020年11月1日、東京の渋谷から佐賀の唐津に移住した。まったく縁のない土地に住み始め、はや半年。主な収入源の文筆業はリモートでもできるし、月に1度は東京出張があるため、面白い人や情報が集まる東京がいかに素晴らしい街だったか改めて理解できた。同時に今のノンビリとした暮らしに幸せを感じる自分もいる。

 最近は、「東京を離れたら仕事がなくなるのではないか?」「縁もゆかりもない土地で暮らしていけるのか不安」といった相談もよくされる。今回は「移住先でも稼ぐために必要なこと」について紹介していく。

移住先の唐津でタコを釣る筆者

田舎暮らしの天敵は「空き時間」

 本題に入る前に言っておきたいことがある。筆者はモノに対してあまり執着がない。家具はすべて安物、ブランド品も車も何もない。だから、東京を離れるにあたり、炊飯器とテレビ以外の電化製品や家具はすべて捨てた。特に思い入れのある収集物もなかったため、引っ越し代は6万円で済んだ。

まるでゴミ屋敷のような東京宅。引っ越しを機に荷物はほとんど捨てた

 東京暮らしと田舎暮らしの一番の違いは「スペアタイム(空き時間)」が増えたことだ。移住したことで、これまで参加していた会合や打ち合わせは激減。馴染みの安居酒屋でなんとなく時間をすごし、偶然居合わせた常連たちと「2軒目もいっちゃう?」なんて会話もなくなった。空き時間にはコラムの連載や、書評のために献本された本を読むことはあるものの、それでも時間が空いてしまう。とはいえ、テレビをつけても琴線に触れる番組はゼロ。騒々しくコロナの危険を騒ぐワイドショーや、芸能人による内輪話が中心のバラエティを見ても疲れるだけだ。