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5000人を超えれば、地元でも誇れる数字

 東京では大したフォロワー数でなくても、唐津でなら希少価値が高いため、地元では注目を集めやすい。もしすでにSNSでそれなりの発信力を持っているなら、移住を決断してもいいだろうし、まだ自信がないとしたら今のうちにフォロワーなどを増やす努力をしたほうがいい。ちなみに佐賀の某ご当地タレントのフォロワー数は6000人ほど、地元局が7000人ほどなので、5000人を超えれば、地元でも誇れる数字だと思う。

「脱東京」「地方移住」がテーマの佐賀新聞のインタビュー

 そして最後に大事なのが、(3)移住先への忠誠心を示すことだ。唐津に移住してから、私はできるだけ地元に貢献できるような発信を心がけている。たとえば、フェイスブックでは地元民の優しさに心打たれたエピソードや、自然豊かな風景や名物料理、野良猫の写真などを投稿している。

 ただでさえ少ない移住者が、なかなか光の当たらない地元の魅力について発信をしているわけだ。これに好印象を抱かない人はいない(もちろん本心からやっていることではあるが)。

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筆者のツイートより

「ツイッターの感じとはまったく違う、穏やかな方なんですね」

 ちなみに筆者はツイッターではどちらかと言えば、コロナの報道を煽るワイドショー批判や、やたらと絡んでくるネトウヨ&ネトリベへの罵倒など過激な発信をしているのだが、移住先で特に問題になったことはない。むしろ地元の人から「ツイッターの感じとはまったく違う、穏やかな方なんですね」とポジティブに捉えられた(これは運がいいだけだが)。

 これから移住を考えている人は、仕事を絶やさないために(1)東京時代に築いた人間関係を大事にしてほしい。縁もゆかりもない土地で仕事を探すのは今の時代、かなりリスキーだ。

 移住先でも仕事を増やしたければ、(2)SNSのフォロワー数の多さ、(3)移住先への忠誠心をアピールしよう。都会で活躍した人間が、自分たちの故郷を一生懸命PRしてくれる姿は感じがいい。

 そして、ここまで読んでいただいた方はすでにお気づきかもしれないが、結局、仕事とは人がくれるものだ。筆者が東京でも唐津でも仕事をいただけた理由は、感じのいい人と思ってもらえたからだろう。コロナのせいで東京からの移住者への風当たりは強いかもしれないが、それに屈せず、「地元を盛り上げたい!」という気概を持って移住に挑んでほしい。

写真=中川淳一郎