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こうした画像は多くは競技の映像から、乳房や臀部をクローズアップしたもの。こうした画像までわいせつ画像と認定してしまえば、通常の競技映像や写真までわいせつ画像と認定されかねず、立件には自ずから限界があるという。
裏を返せば、今回の直接の被害者はアスリートではなく、著作権を侵害されたテレビ局。テレビの画像ではなく、ファン自らが撮影した画像であれば、立件できなかった可能性があるということだ。
スポーツ盗撮は取り締まりに限界
もともと、アスリートはスポーツで不特定多数に見られるのが大前提の存在。テレビ画像の無断使用も後を絶たず、メディア側も著作権法違反の画像を見つけ次第、取り下げさせているが、あまりに多すぎてどうにもならないのが現状だ。
こうした現状に危機感を覚えたのが当の女性アスリートたちだ。昨夏、日本代表経験者を含む陸上競技の複数の女性選手が日本陸上競技連盟のアスリート委員会に相談。JOCも取り上げる事態となり、昨年11月にはこうした写真や動画をアスリートへの「性的ハラスメント」と位置づけ、競技会場での啓発活動も始まった。
競技会場では無断撮影を禁じる会場も増えてきているが、撮影機器が多様化したいまでは、完全に禁じることは不可能に近い。しかも、服の中などを撮影する行為であれば、都道府県の迷惑防止条例で禁じられた「盗撮行為」として取り締まれるが、単なる競技映像の盗み撮りは盗撮行為としては立件できない。