昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/05/30

source : ライフスタイル出版

genre : エンタメ, 読書, 芸能, アート

「手芸はいいですよ。全ての人にオススメしています」

 女の人はお喋りです。でも男の人のように、深く深く掘り下げてゆきたいわけじゃないんです。横に横にスライドしてゆくトークが得意です。感覚で話ができます。だから手を動かしながらお喋りをすることができます。ただ聞いてほしいだけ、そんな話は山ほどあります。オチなんかありません。胸のところに留めておいたら、嫌な形に化けてしまいそうなモノを早く吐き出したいんです。笑い飛ばしたい、一緒に笑い飛ばして欲しいんです。笑い声が成仏させてくれます。

鹿アタッチメントのマスクをつける光浦靖子さん

 大切なモノは胸に留めて、ちゃんと育てて、いつか話すかもしれません。オチだってつけるし、起承転結だってつけられますよ。でも、その前に、あまりに沢山感じちゃうから、雑魚キャラはばったばったと、笑い飛ばしていかないと、パンクしちゃうんです。

 まるで女代表のように語りましたが、私のことです。私自身のことです。だから、オチがない、と言わないでください。一緒に、何も考えず、多分ここだなってところで、嘘で笑っておいてください。私はそれでご機嫌になれますから。

 憧れです。将来、こういう女たちがお喋りしながら手を動かす世界を作れないかなぁと思っています。そこでお金を、大金でなくていい、その日暮らせるお金を稼げないかなぁと思っています。綺麗な海の近くにカフェを作ろうと思っています。足腰の丈夫な同級生に裏の畑で野菜を作らせて、厨房と給仕を任せ、空き時間には私が教えたマスコットを作らせ、それをネットで売るなり、店の片隅で売るなりさせて、私は観光客とたまにお喋りしてればいいかなぁ……なんて。搾取!!! 劣悪環境!!! 腐った資本家!!! 

相方・大久保佳代子さんのブローチ 

 60歳までにはそのレールを敷けたらいいなぁ。

 手芸はいいですよ。全ての人にオススメしています。手を動かしていると、同じ作業をしていると、ゾーンに入りますから。寝ているような、寝てないような、脳みそから気持ちの良い汁が出てきますから。