根っこに戻って、根っこを大切にする
――チームは第7節のヴィッセル神戸戦(4月16日)から第14節の浦和レッズ戦(6月4日)まで8連勝を挙げます。特にこのレッズ戦はハイプレスがはまったゲームになりました。
「枝葉の部分でマイナーチェンジはありますが、レイソルの持っている根っこはまったく同じです。うまくいかなかったときは、もう1回、その根っこに戻って、根っこを大切にしていけばいいと思っていましたから」
――昨年、開幕3試合でメンデス監督がチームを去って、下平さんはヘッドコーチから監督に昇格しました。トップチームの監督は初めてで、かつ、勝利がないままバトンタッチを受けたわけです。危機的状況の経験が一度あったことも大きかったのでは?
「そう言えるかもしれないですが、僕が幸いだったのはU-18で教えていた選手がトップチームに多く昇格していたので、自分の考えやレイソルのスタイルを落とし込みやすかったとは言えます。確かに監督を引き受けた時点で成績は苦しかった。でも僕も選手も、お互いに分かり合いながらチームづくりをしていくことで、結果につながっていったのかなとは感じました」
――アカデミーから昇格してきた選手たちを中心に、レイソルのサッカーを築き上げてきた強み。危機的状況を脱すると歯車がかみ合って昨年なら5連勝、今年なら6連勝と波に乗っていくのもレイソルの特徴です。
「レイソルは他の大きなクラブに比べて資金が豊富にあるクラブじゃない。それでも育成、強化に十分なサポートをしてくれています。なるべく自前でチームの主力になる選手を育て上げて、足りないところは補強でカバーする。これって2年、3年のスパンじゃできません。育成力に甘んじるつもりはないですが、クラブの幹は育成。そこを大切にしていくというスタンスにブレはありません」
――連敗して危機感を持ちながらも、ブレなくやれば結果は出ると信じていた、と。
「そう言えると思います」