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「私を抱きしめる力がだんだん強くなって…」広瀬すずが現場で感じた、吉永小百合の“熱量”

吉永小百合×広瀬すず『いのちの停車場』対談

――疑似家族を演じた出演者の絆の強さは、映画からも伝わってくる。「まほろば」スタッフ行きつけの店で広瀬や松坂らがモノマネを披露するユーモラスなシーンには、演技とは思えない自然な空気が満ちていた。

広瀬 モノマネのシーンは撮影前に監督から「誰のモノマネならできるか考えてきてください」と言われていたんです。それで当日、ビートたけしさんをやろうと思って本番に臨んだら、なんと桃李さんに先にやられてしまって(笑)。

吉永 えー! そうなの?

広瀬 それで急遽、井上陽水さんに変えたんです。べつに陽水さんが得意でもなんでもないですけど、ほかに思い浮かばなくて(笑)。

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吉永 私はすずさんとも松坂さんとも初めてご一緒したけれど、本当に自然とファミリーのような関係を築けたので、お二人との最後のシーンの撮影は「ああ、これで終わっちゃうんだ」とすごく名残り惜しかったの。

広瀬 最後に吉永さんが私を抱きしめるシーンは、何度かテイクを重ねましたが、抱きしめる力がだんだん強くなって、胸がいっぱいになりました。

©2021「いのちの停車場」製作委員会

吉永 つい力が入って……ごめんなさいね(笑)。

広瀬 いえいえ、私も本当に名残り惜しかったです(笑)。『いのちの停車場』は、セリフにもある「いのちのしまい方」について、自分だったらどうだろう、と考えさせられる映画なので、是非多くの方に観ていただきたいです。

吉永 「家族」のこと、医療のこと、いのちを失うこととそれを見届けること……そうしたことを考えながら、人に対して温かい思いを持つことの大切さを感じていただけたら嬉しいです。

INFORMATION


2021年5月21(金)全国公開
いのちの停車場

配給:東映
出演:吉永小百合
   松坂桃李、広瀬すず/石田ゆり子、田中 泯、西田敏行
©2021「いのちの停車場」製作委員会 

週刊文春CINEMA! (文春ムック)

 

文藝春秋

2021年4月26日 発売

「私を抱きしめる力がだんだん強くなって…」広瀬すずが現場で感じた、吉永小百合の“熱量”

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