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明生と若隆景の存在も収穫だった

 本当にお疲れ様。

 大関照ノ富士の連続優勝で、5月の夏場所は幕を閉じました。

 本割で貴景勝に負けての優勝決定戦となり、照ノ富士が土俵に向かう途中、「膝、どうだ?」と声をかけたら「痛いっす」と一言。でも、目は生きていた。「ケガなく終わってくれ」と祈っていましたが、照ノ富士は気持ちだけで取り切ったのだと思えます。

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元安美錦(安治川親方) ©時事通信社

 支度部屋に帰る途中、また言葉を交わしたのですが、自然と涙が出てしまいました。

「ガナ(愛称です)本当におめでとう」。

 今場所の収穫は、明生と若隆景の存在でもありますか。

 力を付けて来たこの若手に、上位陣もうかうかしていられない。

来場所もみんなで「けっぱれ!!」

 そして三役で連続二桁白星の関脇高安は、来場所、大関復帰に向けての挑戦となります。

 お子さんも生まれ、家族も増えて一段と気合も入っているでしょう。私の場合もそうでしたが、家族の支えは大きいものです。頑張れ! いや、「けっぱれ!」。

 そして、十両優勝をひっさげて来場所は幕内の土俵に戻ってくる宇良。

 待っていたよ。思いっきり頑張って! いや、ここでは「けっぱれ!!」ですね。

宇良

 7月の来場所は名古屋場所開催の予定です。久しぶりの名古屋は、どれだけ暑いのか想像がつかないし、この連載も続くのかわからないのですが、こうして書いていて、とても楽しいです。

 ようやく終わりが見えてきたので、お気に入りのワインでも開けますね。つまみは国技館の焼き鳥で、マリアージュを楽しみながら。

 それでは、来場所まで「へば」!(青森の方言。津軽弁で“さようなら”の意味)

 あっ、言い忘れましたが、飲むのはもちろん家で、ですよ。

 来場所もみんなで「けっぱれ!!」。(元安美錦 安治川)

 ※この記事は「文藝春秋digital」から全文転載しています。