――それまで一切売買に応じなかったのに、態度が一変した?
DJ社長 H氏は「おれはそろそろ引退しようかと思ってる」と。赤字転落した途端に、ですよ。でもひとまず100%株を手にできるなら応じようと思ったところで、例の“腐ってる”契約書が送られてきたんです。
――動画内で話していた、退職金4800万円や著作権などの権利を全てH氏にわたすという内容の契約書ですね。
DJ社長 はい。そこからは動画で録音を公開したとおりの泥沼です。2020年6月17日にH氏と電話で話し合いました。僕はずっと借金を返済し終わったら株を買い戻させてもらえると信じていたのですが、H氏は「(株を買い戻すのなら)お金と権利は貰う」と。約束が違う、という僕の問いに「だったらこの話なしや」「お前どれだけ俺に迷惑かけて生きてきた」って開き直って、全然話がかみ合わなくて。
帳簿を確認して知った「使途不明金4000万円」
――動画ではそのあとH氏に呼び出されて、代表取締役の解任をされるという流れでした。
DJ社長 実はその前にめちゃくちゃ腹立たしいことも起きてたんです。H氏から腐ってる契約書をもらってから、腹が立ちすぎて会社が設立されてから現在に至るまでの金の流れが記録された帳簿を全部見たんです。
――H氏はひた隠しにしていたんですよね。どうやって見たのですか?
DJ社長 そういえば俺会社の株49%持ってるな、と。3%以上の株式を保有する株主は帳簿を見る権利があるので、それを理由に全部見たんです。そうしたら意味の分からない数字が出てくるわ出てくるわ……。
――どういった内容だったんでしょうか。
DJ社長 2018年度の決算期に使途不明金が4000万円あったんです。現金管理を任せていた物販の利益だとすぐにピンときました。幕張メッセのライブで、たしか5000万円ほど売り上げていたのに、帳簿には1000万円しか記載されていなかったからです。