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「すべての怪しい利権が通じる先」は…? “安全・安心”の五輪は誰のためのものか

2021/06/08
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五輪関係の人材派遣を一手に引き受けるパソナ

 5月26日の衆院文科委員会では「パートナー契約では人材派遣サービスはパソナにしか許されていない」と独占的契約も明らかに。パソナの大活躍は丸川五輪相も、国会も、人材派遣業をつかさどる厚労省もだんまり。

《つまり五輪さえ強硬に開催できれば、誰も悪くならない仕組みが完成する。》(政界地獄耳)

 なるほど、東京五輪が中止になれば中抜きもできないからテレビ番組で尾身会長にイライラした説も成り立つ。

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竹中氏に「イライラされた」尾身会長 ©️JMPA

 でも我らが竹中平蔵先生がそんな小さい理由で怒るわけない。こないだ話題になったアエラドットの『ワクチン大規模接種東京センターの予約システムに重大欠陥』(5月17日)の記事を思い出せ。次を読んで欲しい。

《防衛省ホームページに掲載されている予約システムの最下部にはシステムの運営会社として「マーソ株式会社」(Copyright © MRSO Inc. ALL RIGHTS RESERVED.)と記されていた。同社の経営顧問には菅首相の盟友、竹中平蔵氏が名を連ねていた。》

 ほら見ろ、竹中平蔵先生は東京五輪だけで儲けているんじゃないんだ。他の国家プロジェクトにもちゃんと絡んでいるんです。安全・安心。

「すべての怪しい利権は竹中氏に通ず」

 それだけじゃあない、3年前のこの記事も見てほしい。

『移民法、水道民営化…2つの悪法に共通する“竹中平蔵利権”』(日刊ゲンダイ2018年12月7日)

 ゲンダイは記事の最後に〈すべての怪しい利権は竹中氏に通ず〉と書いている。ホントに口が悪すぎるよ。

〈加計問題でも明らかになったが、安倍首相の取り巻きが「有識者」として政府組織に潜り込んでボロ儲けする国家私物化システム〉とも。

 せめてオリンピック風に爽やかにたとえてほしい。国絡みのおいしい話には「参加することに意義がある」と。安全・安心の竹中五輪なんですから。