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五輪組織委が委託の会場運営ディレクターは「1日35万円」

 別のJOC関係者は「JOCの金の動き方は尋常じゃない。単なる業務の忙しさではなく、何かしらの問題のある『カネ』があったんじゃないかと疑ってしまいます」と述べた。

 五輪マネーの不透明さについては、国会でも注目されている。

JOCの山下泰裕会長 Ⓒ時事通信社

 5月26日に行われた衆院文科委員会で、東京五輪組織委員会が大手広告代理店に委託している会場運営のディレクターの人件費が1日35万円なのは高額だと野党議員が追及したことが話題になった。

 そして6月5日、組織委の現役職員がJNNの「報道特集」でその実情を暴露した。6月7日に森谷さんの自殺の一報が流れると、インターネット上では「報道特集で匿名で洗いざらい証言してた職員なのではないか」「暴露したから消された」などといった書き込みが溢れた。

 しかし、あるJNN系列の記者は「ネタ元について明かすことはできませんが、森谷さんではないと断言できます」と話す。そもそも東京五輪自体を運営する組織委とJOCは人事交流などはあるが全くの別組織で森谷さんはあくまでもJOCの経理部長だ。

JOCを悩ませていた招致買収問題

 取材を進めると、森谷さんを悩ませていたとみられる新たな事実が判明した。

 遡ること約8年、2013年9月のIOC総会で夏季五輪の東京大会招致が決定した。その総会の直前と直後に、東京五輪招致委員会からシンガポールのコンサルティング会社、ブラック・タイディング社に「コンサル料」として約2億3000万円が支払われていたことがわかっている。

前国際陸連会長のラミン・ディアク氏 Ⓒ時事通信社

 司法担当記者が解説する。

「ブラック社の代表は、当時IOC委員だったラミン・ディアク前国際陸連会長(セネガル出身)の息子パパマッサタ氏と関係が深く、資金の一部がディアク親子側に渡ったとみられています。仏検察はそのお金でパパマッサタ氏がパリで高級時計や宝石などを買い、IOC委員の買収に使ったとみて、汚職事件として捜査を開始しました」