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「もうええわ!」大阪カラオケパブ女性オーナー刺殺 容疑者がキレた“身勝手すぎる理由”

「もうええわ!」大阪カラオケパブ女性オーナー刺殺 容疑者がキレた“身勝手すぎる理由”

2021/06/22

genre : ニュース, 社会

「警察に協力したってや」

 まゆさんが遺体で発見された14日の夕方、りほさんのもとに連絡がつかなかったオーナーから連絡が入った。

「ヒロシって男を知ってるか? 普段、あんまり店にはおれへん俺にはお客様のことはわからないから、警察に協力したってや」

 りほさんはそう依頼された。やがてやってきた警察車両に乗り込んで質問を受けた。刑事がまず口にしたのが冒頭の言葉だった。

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シャンパンタワーを注ぐ稲田さん 友人提供

「まゆさんに関わりのある“ヒロシさん”と聞いて思い当たるのは1人しかいなかった。そこで私がスマホに保存していたヒロシさんの写真を警察の方に見せると、『そいつそいつ』と。その後、免許証の写真を見せられたあと、今度はどこかの駅の改札を通るヒロシさんと、どこかの建物に入っていくヒロシさんの画像を出してきました。私は『この人はヒロシさんで間違いありません』と証言しました」

 他の男を疑っている様子はなかった。知人男性らが無残な姿のまゆさんを発見し、110番通報してからわずか4時間ほどで府警は容疑者を宮本浩志容疑者に絞り込んでいたことがわかる。

警察に見せられた2枚の画像

 4年ほど前から「ラブリッシュ」を訪れていたという宮本容疑者は、まゆさんがラブリッシュを退店して今年1月にカラオケパブ「ごまちゃん」をオープンさせてからも、時折ふらっと「ラブリッシュ」にもやってきていた。その際は必ずまゆさんと仲の良かったりほさんが接客にあたっていた。つまりりほさんは、まゆさんと宮本容疑者を誰よりも知る近しい人物だ。

亡くなった稲田真優子さんと宮本浩志容疑者 友人提供

「その日もう一度警察から連絡があって、『やっぱり今日中に調書を作りたい』と言われました。私は用事を急いで済ませ、20時過ぎに警察の方に迎えに来てもらって、大阪府警の本庁に向かいました。そこで改めて見せられたのは、『ごまちゃん』の入ったビルの防犯カメラの画像です」

亡くなった稲田真優子さん 本人ツイッターより

 時刻が表示された画像は2枚あった。19時過ぎにビルに宮本容疑者が入っていく姿と、22時頃にビルを出て行く姿。宮本容疑者はいつものスーツ姿で、3ウェイのバッグをリュックサックにして背負っていた。警察は、犯行時の宮本容疑者の服装を発表していない。宮本容疑者はまゆさんともうひとりのスタッフに見送られたあと、スタッフが帰るまでビル内に潜み、帰ったタイミングを見計らって強行に及んだとされる。殺害後は、まゆさんが導入していた店内の監視カメラを外し、SDカードを抜き取って立ち去ったと見られている。

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