皇位継承権を持つ男性皇族が3人となり、皇統の存続が不安視されるなか、日々のご公務や象徴的な役割の多くを担っているのは女性皇族となっています。結婚して皇室を出るか、皇室に残って仕事をするか。両者を天秤にかけながら、将来の展望が持てない状態が続いているのが現実です。

『週刊文春WOMAN 2026 創刊7周年記念号』では、ジャーナリストの大久保和夫さん、コラムニストの矢部万紀子さん、名古屋大学准教授の河西秀哉さんによる座談会を開催。

 公務に邁進する佳子さま(31)と愛子さま(24)はどのような選択をなさるのか……。記事の一部を抜粋してお届けします。

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女性皇族には“出世”の道はない

矢部 お二人は公務に加え、佳子さまは全日本ろうあ連盟、愛子さまは日本赤十字社に勤務されています。女性皇族にとって皇室はブラック企業という人がいるほど、忙しいご様子です。

大久保 公務の多さですが、皇族方が一旦定例的なイベントに出席されると、その後はなかなか降りられないんですよ。

愛子さま ©JMPA

河西 全国植樹祭の主催者の資料を見ると、3年も前から両陛下の出席を前提に、前例と同じかそれより豪華にする検討をするんです。

大久保 国民スポーツ大会は、以前は国民体育大会、コクタイと言っていましたが、平成時代に全都道府県が一巡したことやご負担軽減を図るために密かに両陛下の出席をやめることを検討をしたことがありました。でも関連団体が多すぎて、やめられませんでした。

矢部 佳子さまがある福祉関連のイベントを欠席した時も、一部メディアやネットが「ドタキャンだ」などと批判しました。主催者側の不満があったようで……。

大久保 だから公務は増える一方です。

河西 宮内庁が公務の拡大と皇族への負担増を国民に問う時期だと思います。

矢部 その上、女性皇族は皇室典範でも“寿退社”が規定されているだけで、“出世”の道もありません。どれだけ頑張っても報われないというか、やりがい搾取というか……。

河西 三笠宮さまの「新憲法と皇室典範改正法案要綱(案)」が法の下の平等と皇室典範は矛盾しないかを指摘したと先ほど話しました。三笠宮さまは、「これからは婦人代議士も出る、女の大臣も出る」とした上で、「男女共学の教育を受けた女子皇族の時代になれば、女性天皇について再検討されてしかるべき」と書いていました。

公務に邁進されている佳子さまと愛子さま ©JMPA

矢部 それから70年以上、制度は全く変わっていません。一方で世論調査では女性天皇を認める人が大多数、「愛子天皇待望論」も出ています。

大久保 愛子さまのことはお誕生から今日まで取材してきましたので、立派に成長をされたと感慨深いものがあります。20歳になった時の記者会見は見事な受け答えでした。あれ以来、佳子さまと共に国民の注目の的ですよね。これはご本人の努力もさることながら、ご両親のお心遣いが大きく影響しているのだと思います。