文春オンライン

2021/07/01

「やっといま、ももこちゃんに触れられたような気がする」

──最近では、オーディオブック化されたさくらさんの初期エッセイ『もものかんづめ』の朗読も手がけられました。TARAKOさんはさくらさんのエッセイって、もともと読まれていたんでしょうか?

TARAKO エッセイのほうはももこちゃんが大人になってからの話もたくさんあるって聞いて、はじめは読めなかったんです。私が演じてるまる子は子どもだから、読むことによって万一、まる子の演技が無意識に変わってしまったら怖いなって。でも、発売から何年経ってもおもしろいって声を聞いてたので、あるとき思いきって読んでみたら、特になにも変わらなかった。取り越し苦労でした(笑)。

──今回、朗読にあたって久しぶりに読んでみていかがでしたか。

TARAKO やっぱりおもしろいですよねえ……。自分で喋りながら噴き出しちゃってNGになることも何度かあって、ももこちゃんって本当すごいなって思いました。『奇跡の水虫治療』とか、絶対笑っちゃいますよね。

 

──電車で読めないですよね。朗読を聴いているというより、さくらさんに直接喋りかけられているような気分になる作品だなと思います。

TARAKO それはいっちばんうれしいです。もともと私、原稿を「読む」っていう感覚があんまりなくって、「喋る」って思わないと入っていけないんです、役に。感情を乗せずに読んでくださいっていうお仕事がいちばん難しくて。『もものかんづめ』の朗読はいくらでも感情を入れられるから、それが本当に楽しかった。喉さえ許せば1日中やってたいくらいでした。

 本当はももこちゃんともっと交流があったら、お話しするときに「読んだよ、おもしろかったよ」って伝えられたと思うんですけどね。ももこちゃんは忙しくてアフレコもあんまりいらっしゃらなかったし、私も私で舞い上がっちゃってて、ほとんどまともにお話しした記憶がなくて……。だからなんだかやっといま、まる子じゃなくてももこちゃんに触れられたような気がして、それがすごくうれしいんです。

オーディオブック『もものかんづめ』(さくらももこ作)

TARAKO 

女優、声優、ナレーター、シンガーソングライター、脚本家など幅広いジャンルで活躍。81年、アニメ『うる星やつら』で声優デビュー。90年、『ちびまる子ちゃん』で、主人公のまる子役を務める。ほか、『まじかる☆タルるートくん』、『甲虫王者ムシキング 森の民の伝説』(チビキング)などに出演。テレビ番組のレギュラーナレーション多数。

生湯葉 シホ

1992年東京生まれ。『DRESS』『大手小町』でエッセイを連載中。豆腐関係の食べものが好き。https://twitter.com/chiffon_06

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