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【問われるYouTuberのモラル】深夜営業のキャバクラを「斧で破壊」 “カリスマYouTuber嬢”はなぜ摘発されたのか?

2021/06/25
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整形前後の顔公開「暴露系」ユーチューバー

 現場にいなかったのは花音の女性オーナー。源氏名を桜井野の花という。数年前にはギャル向け雑誌の「小悪魔ageha」の読者投票で1位となって表紙を飾ったこともある。

右下が桜井野の花(「小悪魔ageha」2018年9月号)

 雑誌ではキャバ嬢界ナンバー1を自称。大阪から出てきてキャバ嬢としての稼ぎをもとに自分の店を持つまでにこぎ着けた。

 ただの美人、というわけではない。読者投票を呼びかけるプロフィールの「公約」欄には他の参加者が「公開ダイエットをする」「電話番号を教える」などと他愛もない内容を書き込むなか、「100万円をかけた自腹オフ会を開催」と明記。読者の投票を一気にさらう策士でもあった。

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暴露系YouTuberとして25万超のフォロワーを獲得している桜井野の花

 テレビのバラエティ番組などでも出演歴があるが、目下、有名なのはユーチューバーとしてかもしれない。「桜井野の花TV」の登録者は25万人を超えている。

 何より閲覧者が急増したきっかけは、美容整形の前や最中の腫れた顔までさらした「暴露系」動画。2018年11月に公開されると、170万回以上再生された。相当の広告収入もあげていたとみられる。その後間もなくオープンしたのが今回捜索を受けた花音だ。

自身の整形経験を赤裸々に伝える桜井野の花(YouTubeチャンネルより)

 だが、今回の強制捜査で、それも当分断念せざるを得ない。桜井は最新の動画では違法な深夜営業が自分の指示によるものだったことを明かし、「営業時間内の売り上げではお店を続けられる状況でなく、客の需要もあり、2度の行政指導を受けたにも関わらず深夜営業を続けてしまいました」と、その動機を語った。

「影響力のある身ながら今回の報道の件についてご迷惑をおかけしたことを反省し、動画の活動を一時休止させていただきます」とユーチューバー活動の一時休止も宣言した桜井。

 雑誌の表紙を飾った際には「あなたの努力は必ず誰かが見てくれていて、困ったときには手を差し伸べてくれる人がいる」とのメッセージも載せていたが、その努力の結果が違法営業であっていいわけはない。

自身のYouTubeで謝罪した桜井野の花
【問われるYouTuberのモラル】深夜営業のキャバクラを「斧で破壊」 “カリスマYouTuber嬢”はなぜ摘発されたのか?

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