6月23日夜、文春オンライン特集班は急事態宣言下の6月18日に人気YouTuber31人が集まって行われた「自粛破りの大パーティー」について報じた。

「このたびの当社クリエイターの行動につきまして、深くお詫び申しあげます。当社は、参加したクリエイターへの厳重注意を行いました。また、全専属クリエイターに向け、感染予防対策および責任ある行動について、引き続き指導してまいります」

 6月24日、人気YouTuberが数多く所属する事務所UUUMは「当社専属クリエイターの行動に関するお詫びとご報告」と題する文章を公式サイトで発表。同社所属の「水溜りボンド」のトミー、「アバンティーズ」のそらちぃ、ツリメらが同会合に参加したことについて謝罪した。また、同会合に参加していたあやなん、5人組人気YouTuber「コムドット」、関根りさ、古川優香らも自身のツイッターで謝罪した。

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 若者を中心にカリスマ的な人気を誇るYouTuberだが、近年彼らが引き起こすトラブルが多発している。動画の再生回数を稼ぎたいYouTuberの迷惑行為が刑事事件に至ったケースもある。なぜ、彼らは“暴走”するのか? 今回、緊急事態宣言下での会合が明らかになったことで、改めてYouTuberの「モラル」が問われているといえるだろう。

 そこで文春オンラインでは、YouTuberが引き起こした「事件」の記事を再公開することとした(初出2021年2月13日、肩書き、年齢等は当時のまま)。

 また1人、迷惑行為を繰り返していたユーチューバーが警察の逆鱗に触れ、あっけなく逮捕された。「警察には捕まりません」と豪語していたが、日本の警察はそう甘くはなかった。

「犯罪者さらして稼ぐ」迷惑系ユーチューバー

 2月8日、兵庫県警須磨警察署に逮捕されたのは、大阪市西成区に住む無職・猪原直輝容疑者(36)。罪名は「邸宅侵入」。神戸市須磨区にある一戸建て住宅の敷地に勝手に入ったというもので、侵入はユーチューブにアップする動画を撮影するためだった。

猪原容疑者 自身のユーチューブチャンネルより

 一躍人気職業になったユーチューバーだが、競争が激しく、中には他人の迷惑を顧みない乱暴な行為を見せつけて視聴を稼ごうとする「迷惑系」と呼ばれるチャンネルが多数存在する。猪原容疑者も「突撃体験ナオキアンビリーバボー」と名付けたチャンネルを持つ、迷惑系の一人だった(チャンネルは既に削除)。プロフィールにはこうある。

「過去に凶悪犯罪を犯したにもかかわらず賠償金を払わなかったり、未成年だからという事で刑を撒逃れた加害者に凸するチャンネルです」(原文ママ)

猪原容疑者のユーチューブチャンネルより

今回の標的は教員同士のいじめ暴行事件の加害者

 逮捕につながった動画は昨年11月8日、兵庫県神戸市にある一戸建て住宅の敷地内に入ってビデオカメラで撮影したものだった。地元社会部記者が言う。

「その住宅は2019年に神戸市立東須磨小学校で問題になった教員同士のいじめ暴行事件の加害者の家でした。猪原容疑者が行ったときには別の場所に住んでいたので不在でしたが、後日にアップされた動画を見た誰かが兵庫県警に通報して捜査対象になったようです」