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結成25年 サニーデイ・サービスの解散・再結成と組織論

サニーデイ・サービス ベーシスト田中貴さんインタビュー#1

バンドは組織ですから、自然と役割分担ができてくる

――曽我部さんはローズレコーズという自らのレコード会社を立ち上げてDIYな形で音楽活動を続けています。サニーデイ・サービスのアルバムもそこからリリースが続いているわけですが、田中さんの考えとしてはどうでしたか?

田中 再結成のときも「メジャーでやればいいのに」と思いましたよ、正直。気の合うディレクターと一緒にやれば、それなりに融通はきくし、そんな嫌な思いをすることもない。しかも、ちゃんと宣伝はしてくれる。だからアルバム1枚の契約でもいいから「再結成しました」というのをメディアを使って広めた方がいいのにと。曽我部にもそういう話をしたんです。そうしたら「田中、誰か会って話しといてよ」みたいなことになって(笑)。それで何人かレコード会社の人と会って話もしたんです。

新刊『青春狂走曲』には結成25年の秘話満載だ

――裏方時代の経験も人脈もあるから、レコード会社の人とも対等な関係で交渉ができるわけですよね。

田中 そうですね。スタッフとして仲良くなったレコード会社の人もいるし、音楽的に趣味の合う人も多いので。だけど、途中で曽我部がやっぱりメジャーは嫌だと。いまだに「あの時にメジャーでやってたら」とは思いますけどね。ネットやSNSを使えば自分たちだけで伝えられることもあるし、アーティストがメジャーに所属する意味がなくなってきたとも言われるけれど、やっぱり地方に行くとテレビの影響力の大きさを感じます。そういう意味ではちょっと後悔はありますね。

――田中さんは当初のバンド時代にもメンバーを車に乗せて運転していたそうですが、ある種のマネージャー気質があるとは思いませんか?

田中 どうですかね……。バンドって、「歌いたい! ギターソロ弾きたい!」みたいな、戦隊もののアカレンジャータイプが集まるものだと思うんですよ。僕もマネージャー気質じゃなかったと思いますもん。でも、数人といえどもバンドは組織ですから、自然とやってるうちに役割分担ができてくる。

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