大都市で主な移動手段として利用されている列車。毎日多くの乗客を乗せて走る列車が到着する駅に立つ駅係員(以下、駅員)たちの仕事は、私たち乗客の安全や列車の運行をサポートだ。
そして、駅や列車の中で発生したトラブルやヤバい客への対応も彼らの仕事であり、耳を疑うような事件も連日発生しているという。
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都内の私鉄で駅員をしている桜井真希さん(仮名)は、混沌とした日々をこう語る。
「毎日何かしらのトラブルは起きるのですが、週末の夜と忘年会シーズンはとにかく大変です。泥酔して終電の車内やトイレの個室で寝ている人を起こしたり、ホームや電車内の吐瀉物を片付けたりするのも通常業務。駅構内の清掃は清掃会社に外注していますが、吐瀉物やトイレからはみ出た排泄物の処理は私たちが行います。
過去には、ズボンの裾から下痢便を流しながら歩いている人を注意したこともあります」
一体どういう状況なのか想像もつかないが、利用客が快適に利用できるように駅に出現した “汚物”は迅速に処理しているという。そんな桜井さんが「とても困る」と訴えるのは、多目的トイレでのトラブルだ。
「多目的トイレは一定時間カギが閉まったままだと、アラームが鳴って駅員が確認に行くシステムになっています。たいていは誰もいないのですが、たまにとんでもない状況になっているケースもあるんです。たとえば、酔っ払ってお尻を出したまま眠っている人や、吐瀉物が洗面台に詰まっている様子を見たときはめまいがしましたね。
あるときは、多目的トイレの中から悲鳴が聞こえるとの通報があり、すぐに駆けつけて外から『大丈夫ですか?』と確認すると、やはり、女性の悲鳴が聞こえたんです。さすがに事件性を感じてトイレを解錠すると、男女が性行為をしていたんです」
しかも、彼らのプレイの様子がかなり独特だったため「衝撃で呆気にとられてしまった」と桜井さん。トイレの中にいた男性は裸のまま飛び出し、駅の中を爆走していったという。
「私が残された女性の対応をしていると、ほかの駅員から無線で『裸の男が走っている』という連絡が入り、駅構内を巻き込んだ大事件になりました。その後、男性も取り押さえられて一件落着。多目的トイレが通常の目的以外で使用された場合は事件扱いになるので、警察に引き渡しました。
去年、アンジャッシュの渡部さんの不倫騒動で多目的トイレが注目されましたが、そんな経験をしていたのであまり驚きませんでしたね」