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今こそ思い出したい、ロッテが大谷翔平に勝った5年前のあの日

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/07/29

 いやーこんなにもう世の中一斉にオリンピックモードになるとは思ってもみなかった。

 スポーツ報道界隈の末席にいる筆者も、ちょっと巻き込まれ感がある。しかし1カ月前まではこんな雰囲気になってなかったよな……日本で明るいニュースと言えば、大谷翔平か藤井聡太二冠しかなかったのに、とか思うこともある。

 その中でロッテである。侍ジャパンにはロッテから誰も選ばれず……まあこっちはいい休養期間だと思えばOKである。ただ“メキシコ版寿司”を握るレアードが見たかったけどメンバーから外れちゃったなあ……とちょっと寂しくなった。なので、たまーに流れてくる「鳥谷が甲子園遠征に参加決定 27日からエキシビション阪神3連戦」(日刊スポーツ7月26日付)と、「おお、鳥谷様(大学の1学年先輩)がまた甲子園に戻ってるのか」などのニュースをチマチマと追って小さく喜んでたりしている。エキシビションマッチは公式戦の勝敗には加算されないから、こんな時期にユルーい気持ちで楽しめるのもありがたいことだなあ……と思いつつも、何か調べなきゃと思っていた。

 で、今、野球と言えばやっぱり、オオタニサンじゃない? と思った。

メジャーで好投するほどの大谷に、黒星を付けたあの日

 ……さすがに数年、野球観戦から離れる時期があったとはいえ、大谷が日本ハム所属だったことはわかっている。でもなかなか「対戦相手としての大谷翔平」を調べられることって、意外とないんじゃないだろうか。ここ最近は“ホームランダービーとオールスターでの疲れ説”がささやかれていたが、27日に5勝目をマークし、28日には36号を放つ活躍を見せている。じゃあその「メジャーで好投するほどの大谷に、黒星を付けたあの日」を調べてみたら面白いんじゃないか――ということで目をつけたのは、5年前の開幕シリーズだ。

 2016年3月25日(ZOZOマリン)観衆30119人
ロッテ3-2日本ハム
日|000000020 2
ロ|30000000X 3
勝:涌井秀章(1勝)
敗:大谷翔平(1敗)
S:西野勇士(2S)
<バッテリー>
ロッテ:涌井-大谷-内-西野/吉田
日本ハム:大谷-高梨/大野、市川

 うわー、ランニングスコアとバッテリーを調べただけですでにエモくなっている自分がいる。この試合、作業でZOZOマリン行けなかったんだけど、涌井が大谷との投げ合いで貫禄を見せつつ、「じゃない方」と言われてファンとしては憤慨だった大谷智久(a.k.a海坊主)と内竜也の継投でつないで、西野が最後を締めた瞬間は「おおおおおおーーー大谷に勝ったーーーー」と狂喜乱舞していた記憶があるな……あれ、でもこれ打った人たちって誰だったっけ? ちょっといろんな媒体を観ながら、思い出してみた。

大谷智久 ©文藝春秋

 大谷を打ち崩した「初回の3点」はどうやって生まれたのか。まず口火を切ったのはデスパイネだった。二死三塁からセンターへのタイムリーヒットを放って岡田幸文をホームへと迎え入れたわけだが、スプリットが高めに浮いたとはいえ「変化球を狙っていたよ。狙い通りだね」(日刊スポーツより引用)とのデスパイネのコメントは頼もしすぎると感じたし、今でも「♪デスパ~デスパ~バモデスパ~」と歌いだしたくなる気分である。

 で、ここで終わらないのがロッテらしいしぶとさである。