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「黒髪の中田翔」報道への違和感

 金子誠が中田翔と陽岱鋼に訓戒を与えた、という話を聞いたのはいつだったでしょうか。

 野球に髪の毛は関係ない。

 とだけ聞くと、だからむやみに伸ばすなとか染めるなとか、お洒落にうつつを抜かしてはいけないという趣旨の話かとなりそうですが、違うんですね。そのあとに続いたのはこういう内容だったそうです。

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 だからおまえ達は、成績不振で黒髪に戻すようなことはするな。

 後輩選手への暴力で謹慎処分となっていた中田翔の無償トレードによるジャイアンツ移籍が報じられた8月20日、「黒髪の中田翔」に何がしかの意味を込めるような各紙の記事に小さな違和感がありました。

 黒い髪だから反省しているということになるんだろうか。髭をそったから神妙にしたことになるんだろうか。

 移籍先のドレスコードに従っただけでも、そうなんだろうかと。

 かつて小笠原道大や藤井秀悟のジャイアンツ移籍の際にも、姿を改めたことが何か過剰な意味を込めて語られているように感じたことがありましたが、ただ、今回の違和感はその時と同じだというのではないんです。

 昔は正直、ちょっぴり業腹になっておりました。でも今そういう感情はわいてきません。

 中田翔、かつてのガッツや野球小僧のようにファイターズから出て行った、去ったのではないからです。

 8月20日、ファイターズの中田翔は消えました。跡形もなく消えてしまいました。

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