緊急事態宣言下の東京で、国中を騒がせながら、とうとう東京五輪が開幕した。観客が入ろうが入るまいが、五輪は各国の競技者がその力と技をぶつけあう場だ。全力で戦う姿は、それを観る人々に、たとえそれがテレビ画面というフィルターを通したものであっても感動を与え、勇気づけるものである。

 勝負の結果は順位というランキングで評される。上から順に金メダル・銀メダル・銅メダル。五輪の世界では1位から3位までにメダルが授与される。いわば各競技別の世界ランキングが発表されるのだ。そして今回の五輪でも日本の選手たちが何個のメダルを獲得するのか、メディアはその予想と結果に一喜一憂している。

 日本人はどうやら無類のランキング好きな国民のようだ。

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「都道府県魅力度ランキング」の最下位は

 ブランド総合研究所は毎年「都道府県魅力度ランキング」を発表している。この調査は全国の約3万人を対象に、47都道府県と1000の市区町村について、認知度、魅力度、イメージなど全89項目について調査、その結果を魅力度ランキングと称して発表している。

 昨年調査では、長年最下位に甘んじてきた茨城県が脱出して42位に躍進し、栃木県が最下位に沈んだ。栃木県の福田知事は、上京して同研究所を訪れ、調査方法などの確認を求めたというから尋常ではない。また会見では「露出度を高めるには何をすべきか考え、来年はこのようなことがないようにしたい」と述べ、県では「47(そこ)から始まる栃木県プロジェクト」なるものを実施すると息巻いた。実際、これまで最下位の常連だった茨城県の大井川知事もかつては最下位に関して不満を表明するなど、たかが一民間会社の調査に対して大真面目に反応する姿は何やら滑稽ですらある。