東京五輪開会式の演出チーム。小山田圭吾氏に続き小林賢太郎氏がいなくなった。まるで開会式オンエアバトルである。

 しかし「呪われた五輪」という言い方はどうだろう。別に呪われてはいない。大会運営が最初から酷いだけだ。

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 ある大会関係者は「責任の所在があいまいなまま、判断が後手後手になる。この大会を招致した時からずっと、問題の本質は変わっていない」と述べている(朝日新聞・7月18日)。

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「ここまで来たら引き返せない。もう飛び込むしかない」(毎日新聞・5月29日)

 どちらも小山田&小林問題以前の記事である。大会運営の酷さは、たとえば開会式の演出チームをみてもメンバーの変遷が激しすぎた。

 小林賢太郎氏は、「女性タレントの容姿を侮辱するメッセージを演出チームのLINEに送ったとして辞任した統括プロデューサー佐々木宏氏のもとで演出を担当」していた(朝日新聞デジタル・7月22日)。

辞任した佐々木宏氏 ©時事通信社

リオ五輪閉会式での「安倍マリオ」 真の狙いは…?

 ここらへんにポイントがありそう。過去記事を振り返ってみると、私が五輪関係の記事で初めて「佐々木宏」が気になったのはこれ。

『安倍マリオ 当初候補はアスリート 3週間前に急きょ』(日刊スポーツ・2016年9月10日)

《演出を手がけたクリエーティブディレクター佐々木宏氏が都内で会見し、明かした》

 リオ五輪の閉会式に出てきた「安倍マリオ」で佐々木氏の名が出ていたのである。

 私があのとき安倍マリオの経緯を調べていたのは「安倍マリオとは小池百合子潰しではなかったか?」と思ったからだ。大会組織委員会前会長だった森喜朗と小池百合子は以前から仲が悪い。「小池百合子都知事がリオ五輪の閉会式で目立つくらいなら安倍ちゃんを出そう」という思惑は1%でもなかったか?