《ヘアヌード解禁から30周年》浜崎あゆみとボッティチェリの名画の共通点は「髪」にアリ…？

2つの乳房と股間を守りたい

　これは、女性にとって、恥ずかしいので隠すべき部分は2つの乳房（乳首）と股間の3ヶ所であるということを意味している。この場合、尻は丸出しになってしまうのだが、それよりもこの3ヶ所を守りたい、ということだ。

（中略）

　この「恥じらいのヴィーナス」ポーズは、現在でもセミヌードのグラビアなどでよく使われている。全裸になっていても、乳首と股間さえ隠していれば、フルヌードではなく、セミヌードとなるわけだ。しかし、羞恥心を強調しているように見えるこのポーズ、全裸以上にエロティックさを感じさせるのだ。

　長い年月を経てボッティチェリが蘇らせた「恥じらいのヴィーナス」ポーズだが、「ヴィーナスの誕生」では、さらなる要素が付け加えられている。それは、左手だけではなく、長く伸びた栗色の髪の先端も使って股間を隠していることだ。

「髪パンツ」というエロティックな手法

　現在でも、浜崎あゆみの1999年のアルバム『LOVEppears』のジャケットなど、伸ばした髪で乳首を隠すという「髪ブラ（髪ブラジャー）」という手法は、セミヌードグラビアなどでよく使われているのだが、さすがに髪で股間を隠す「髪パンツ」は、あまり見かけない。尋常ではないほどに髪を伸ばすことが必要になるからだろう。

　しかし、この「髪パンツ」、なかなかにエロティックな効果がある。股間を隠すための髪の毛が、あたかも陰毛を連想させるのだ。もしかしたら、この髪の毛の中に陰毛が混じっているかもしれない。そんな妄想すら想起させるのである。