優勝が決まった瞬間、やはりマウンドには上野由岐子(39)がいた――。
日本選手の活躍が続く東京オリンピック。7月27日に行われたソフトボール決勝では、日本代表(世界ランキング2位)がアメリカ代表(同1位)を2-0で下し、見事金メダルを獲得。2008年の北京オリンピック以来、13年越しの連覇を果たした。
まさに“最強のライバル”同士の死闘となった決勝戦。惜しくも敗れ、銀メダルに終わったアメリカ国内において、この最終決戦はどのように報じられたのだろうか。歴史的一戦を巡る、海外メディアの反応を見てみよう。
アメリカにとっても“悲願の復活”だった
北京オリンピックで日本が金メダルを獲得して以来、ソフトボールは五輪競技から姿を消した。今回、日本にとっては3大会ぶりの“悲願の復活”だったが、その思いはアメリカでも同様だったようだ。
ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)は、アメリカの銀メダル獲得を報じる記事の中で、「北京で日本に負けたことは、それまで1996年、2000年、2004年と(オリンピックで)負け知らずだった『絶対王者』アメリカの連勝記録に待ったをかけた。そして、アメリカチームはリベンジ・マッチを10年以上も待たねばならなかった」と、今回のオリンピックに対する思いを述べた。
ESPNもまた、「ソフトボールがオリンピックに戻って来ることが決定したその瞬間から、この試合が行われるのは決まっていたようなものだった。ソフトボールのオリンピック史上、初めてアメリカが金メダルを逃した2008年から13年、リベンジの機会が巡ってきたのだ」と、この決勝戦がアメリカにとっても待望の“再戦”だったことを強調している。
連覇をかけて自国開催のオリンピックに臨んだ日本。そして、“最強王者”のプライドをかけて13年ぶりのリベンジに燃えていたアメリカ。決勝戦は、そんな両国の思いが激突した試合だった。