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「5年ぐらいはランクインし続けたかったです」

 2年連続で1位になったことも、さとうらしい受け止め方をしている。「2004年という、17年も前の話を、こうして今でも訊かれるのが面白いですよね。こんなにずっと訊かれるんだったら、5年ぐらいはランクインし続けたかったです。それに、私のレギュラーは関東ローカルの番組が多かったんですが、『女が嫌いな女』で全国的に知られた部分もあって。どこか地方に行っても、『さとう珠緒だ!』って言われるようになったのはそのおかげだったりするんです」

 それでも、テレビに出ることで人に嫌われるのは、ストレスではなかったのだろうか。「いや、全然そんなことは。なんやかんや楽しかったですし。でも、そのときにけっこう広告出演がなくなって、事務所は苦労していましたね。まあ、タレントは使われる身、受注産業ですから」

 

 その頃、さとうの活躍が大いに評価されていた番組の一つに、タレントがお題通りの料理を作って出来を競うというものがあった。さとうはその中で、“料理下手”として毎回独特の絵を作っていたように思う。

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「あれは、わざとまずくさせようみたいなトリックがいっぱいあるんですよ。塩の隣に重曹を置いて、それを何だかわからないようにしてあったりとか。でも、まずい料理を作ったときに、女性アナウンサーさんが眉間にすごいシワを寄せるのが楽しくて(笑)。だからあれ、バラエティとしてはまずく作ってもいいし、うまく作ってもいいんです。

 困るのは、そんなにまずくもなく、微妙においしくできちゃったときで。後ろのほうで『えっ? オイオイオイ、どっちかにしろよ』みたいな、スタッフからの空気を感じるんです。そこで、そっか、試食の人がリアクションを取りづらいのはダメなんだなと思いました」

 とはいえ、ここでもさとうは、必ずしもテレビ的演出に乗っかって演技をしていたわけではないと語る。「だけど、私も実はそんなにまずく作ろうとはしていなくて。まずいときは、自分でも『おおー! こんなまずく作れたんだ』みたいな(笑)。あの番組、すごくいい番組で、面白かったです」

今の“あざとい”ブームをどう見てる?

 そんなさとうが築いた「ぶりっ子枠」は、今や激戦区になっている。彼女がバラエティで活躍していた頃、嫌われキャラとほぼ同義だった「ぶりっ子」という言葉は、現在は「あざとい」という表現に変わり、必ずしもネガティブな意味合いだけではなくなってきている。むしろ、「あざとかわいい」などと言われ、同性から支持される女性タレントも増えてきた。そんな令和の“あざとい”ブームを、さとうはどんな目で見つめているのか。

 

「田中みな実さんとか、もう私とは全然違うジャンルですよ。絶え間ない努力が見えて、すごく頑張っていて偉いなあと。知的にも感じるし、私とは真逆で、田中博士(はかせ)って呼びたいくらいです(笑)。私のときはもっと、アイドルっぽい感じの“ぶりっ子”がいっぱいいたんですよね。でも、今はそういうのではなくて、ビューティー系の大人かわいい女子みたいな」