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「景気低迷により、東京は魅力的になりました」日本人が勘違いしがちな“インバウンド需要”の意外な“現実”

『安いニッポン 「価格」が示す停滞』より

2021/08/17
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イギリス人にとって「最も安い目的地」

  訪日外国人が増えていたのは、日本の安さが理由だと裏付けるような記事を見つけた。

  英国のタブロイド紙「デイリーメール」では、2020年1月の「Where your holiday pounds will go miles further」と題した記事でお勧めの旅行先を並べており、日本についてはこのように紹介している。

©iStock.com

「何年にもわたる景気低迷により、東京は魅力的になりました。

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  日本の首都では価格が13%下落しています」――。

  そして「イギリスの観光客にとって最も安い10の場所」としてベトナムやブルガリアなど10カ国の観光地を挙げて、1杯のコーヒーやビール、日焼け止め、夕食のフルコースなど8品目について比較。合計の費用で日本(東京)は48.21 ポンド(約7000円)でブルガリア(サニービーチ、30.60ポンド)、トルコ(マルマリス、44 .15ポンド)に次いで3番目に安い結果となっていた。

  記事では日本についてこう続けている。

「リスト(10カ国)のうち、長距離の行き先では最も安い目的地です」

  インドネシア(バリ、61.43ポンド)やベトナム(ホイアン、59.49ポンド)よりも安いことに驚いたが、いずれも欧米客が多い観光地のため、観光客向けにそれなりの高さに設定されている可能性が高い。つまり東京はそうなっていないのだ。

  こうした現実もまた、受け止めるべきである。

「景気低迷により、東京は魅力的になりました」日本人が勘違いしがちな“インバウンド需要”の意外な“現実”

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