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“森案件”の市川海老蔵、小池の“火消しと木遣り”…東京五輪の開会式は「政治利用」の答え合わせがたまらなかった!――東京五輪の光と影

2021/08/13
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『開会式に松井氏登場 長嶋、王氏と共演か 森組織委前会長が明かす』(北國新聞7月22日)

 記事によれば、松井氏は派手なことを嫌う謙虚な性格なので一度は辞退したという。しかし師と仰ぐ長嶋氏が野球の発展を願って開会式への出席を決めたので松井氏も翻意した可能性がある、と。

森喜朗が漂わせた“サプライズの予感”

 長嶋・王・松井の共演はあるのかと北國新聞が問うと、

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《森氏は「それは当日に期待してほしい。私自身は登場しないが、思いが入った開会式になる」と明言を避けたが、にやりとした表情にはサプライズの予感が漂っていた。》

 もう、全部喋ってるじゃん!

 おとなしくしてるべき森喜朗なのに「もう五輪が始まるのだからいいだろ」と言っているようにみえる。

長嶋茂雄 ©文藝春秋

 このスクープも驚かせた。

『組織委 森氏復帰を検討』(朝日7月23日)

 森喜朗氏の「名誉最高顧問」就任を検討しているという。翌日に読売も報じた。森氏は女性蔑視発言で辞任した経緯があるため政府は難色を示しているというが、注目すべきは五輪開幕が近づくにつれて組織委員会の中に公然とこういう声が出ていることだ。これも「もう五輪が始まるのだからいいだろ」という態度にみえる。「国民はアスリートだけ見ていろ」という。

 これは菅首相の「競技が始まり、国民がテレビで観戦すれば、考えも変わる」と表裏一体でもある(20日のウォール・ストリート・ジャーナルのインタビュー)。

 さらに時を同じくして、五輪開幕直後の竹中平蔵氏のツイッターの投稿が話題となった。

竹中平蔵のツイートを要約すると

『故堺屋太一さんは、祭りのような「非日常」があって初めて、社会は面白くなり発展すると述べられた。五輪は最高の「非日常」だ。だから色んなことも起こりうる。それを政治的に、姑息に目くじら立てて批判するのは寛容・平和の五輪精神に反する。心からこの五輪を応援しよう、それが心ある国民の声だ。』(7月24日)

 長いツイートなので中抜きさせていただく。

 要約すればこれも、

《五輪が始まったのだからゴチャゴチャ言うな。非国民になるぞ》

 と読める。※勝手に中抜きしてごめんなさい。

 五輪が始まったのだからゴチャゴチャ言うな論法は強者にとっての開会宣言なのだろう。ちなみに発売中止となった開会式の公式プログラムの広告には、

『パソナで働いて応援!』

 という全面広告があった。※電子版で見たら本当にこのコピーでした。決して中抜きしていません。 

『東京2020オリンピック公式ガイドブック』(KADOKAWA)より

 思い出した。竹中平蔵先生って丸川珠代五輪相言うところの「ステークホルダー」(利害当事者)だった。忘れてました。それにしても『働いて応援!』って凄い。ただの労働ですそれ。