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2021/08/17

 2021年の夏には国産のワクチンができているという判断。しかし最近のインタビューで安倍氏は「緊急事態宣言などで、感染者数や重症者数を相当少なく抑え込むことが出来るだろうと判断」したと言っている。しれっと変えているのだ。その判断も実際には五輪開催時に感染爆発したので外れたことになるのだが…。

 昨年の記事に戻ろう。読売新聞は、安倍氏が「2年延期」ではなく「1年」を選択したのは、

《自身の自民党総裁任期が「来年9月末まで」であることとの関連を指摘する向きもある。》(2020年3月25日)

 と伝えている。2年延期だと総裁、総理として五輪は迎えられない。1年延期なら可能だ。安倍氏自身の政治的な思惑のためという解説はこのあと各紙で報じられた。

おしゃべり森喜朗もたまには役に立つ

 再び、今年7月に読売新聞に掲載されたインタビュー企画を読んでみよう。

 安倍氏は「首相在任中の開催にはそれほど、こだわりはなかったです。」と述べている(2021年7月30日)。

 ところがこの3日後に登場した森喜朗氏(第3回・2021年8月2日)は何と言ったか。

森喜朗 ©文藝春秋

《新型コロナウイルスの感染が拡大した時、「コロナに打ち勝ってオリンピックを成功させる」と、(当時の首相の)安倍さんは言いました。だから大会を1年延ばしました。あのとき、私は安倍さんと2人きりで会って、延期は「2年でどうですか」と言ったが、「それは駄目」と言われた。私も、1年あれば大丈夫だなと思いました。日本の科学技術を信頼しようと考えたからです。》

 ああ、1年前の記事を調べるまでもなく、森氏は安倍氏の言葉をひっくり返す形となっていた。同じ企画で3日後に。

 こうして新聞記事を読み比べるだけでも「歴史修正」「改ざん」がおこなわれているのがわかる。権力者は隙あらばすっとぼけるようだ。

 だからこそ記録を残すのは大切です。

 どうしても公文書や議事録が無い場合は、森喜朗先生を気分良くさせてペラペラしゃべらすのはいいかも。おしゃべり森喜朗も有益な場合がある。

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