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寝坊、停車駅スルーから、三角関係のもつれで殺人事件まで…「撮り鉄」だけじゃない鉄道マンたちの「やらかし事件簿」

寝坊、停車駅スルーから、三角関係のもつれで殺人事件まで…「撮り鉄」だけじゃない鉄道マンたちの「やらかし事件簿」

2021/08/22
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 一部の「撮り鉄」と呼ばれる鉄道ファンのトラブルが、ここ数年、ネット動画で拡散されることが多くなっている。つい最近も、「江ノ電」の撮影が目当ての撮り鉄と、自転車に乗る外国人とのトラブルの動画が話題になったばかりだ。

自転車で江ノ電と並走していたため撮り鉄とトラブルになった外国人の様子

 実は歴史を紐解いてみれば、鉄道関連のトラブルは、ファンや乗客由来のものにとどまらない。ふりかえってみると、鉄道マン自身もライトなものからヘビーなものまで、多くのトラブルに巻き込まれている。

鉄道マンのやらかしといえば「寝坊」

 例えば「またか」と年に数回聞かれる鉄道マンのやらかしがある。寝坊である。駅員の寝坊が原因で、始業時間になっても駅があかず、数人が始発列車に間に合わないというトラブルだ。

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 2020年11月には、JR鹿児島線基山駅の駅員が寝坊し、乗客4人が始発列車に乗車できなかった。またJR両毛線の前橋大島駅の駅員が寝坊し、乗客6人が乗車できなかったことも報道された。乗車できない人数の多かったトラブルでは、2014年東京メトロ丸ノ内線の南阿佐ケ谷駅で駅員が寝坊し、34人が始発列車に乗れなかったこともがあった。乗れない人だけでなく、駅に降りた2人が一時、駅から出られなくなったそうだ。

 夜は終電後まで働き、朝は始発前から出勤という過酷な鉄道マンたち。「疲れていたんだろう」と同情せずにはいられない。寝坊は誰しも経験のあることだけに厳しい批判はなかなかしづらいが、始発電車に乗り遅れた人はさぞ困ったことだろう。

写真はイメージです ©iStock.com

鉄道マン御用達、起き上がる目覚まし装置

 ところで朝、絶対に起きなければならない駅員を起こすのは、一風変わった目覚まし装置である。目覚まし時計のように音が鳴るものではない。肩の下に空気袋を敷いて寝ると、セットした時間に空気が入ることで袋が膨らみ、体が自動的に起き上がるというものだ。興味深い。

鉄道マン御用達の目覚まし。その名も「定刻起床装置個人簡易型[SAC-5A型]」。価格は105,000円(税込)

 これを体験できるのも駅員だけの特権、と思いきや、JR東日本が運営するECサイト「JRE MALL」で販売しているようである。その名も定刻起床装置個人簡易型[SAC-5A型]、価格は105,000円(税込)。高額だが、「どうしても起きられない」という人は試してみる価値はありそうだ。