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松浦亜弥が15歳で歌い上げた衝撃作も…! ゼロ年代を彩った「ハロプロ軍団」の夏うたはヤバかった

2021/08/25

genre : エンタメ, 芸能

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 モーニング娘。の「。」といい、つんく♂は記号の使い方が斬新というかヘン。が、この「~」が視覚的に「波」を思わせ、夏っぽさが倍増しているから、結局さすがと唸ってしまうのである。

“ノースリーブの反逆”が眩しかった!

 歌の主人公は、彼氏に海外旅行に誘われている。「うれしいよ、だけど……」と口をとんがらせて言うセリフも素晴らしい。

 が、歌唱当時、松浦亜弥は15歳(中3)。15歳といえば、山本リンダが「こまっちゃうナ」を歌っていた年齢と同じ。昭和ではデートに誘われた程で困ってママに相談していたのに、平成はパスポート取っちゃうのか……。あややは全くコギャル風ではないのに、サラッとススンだ歌を歌うのも新鮮だった。

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「Yeah!めっちゃホリディ」「GOOD BYE夏男」も、夏に勝負を賭ける女の子のハイテンションがガンガンと伝わってくる名曲。特に「GOOD BYE夏男」。「GOOD BYEサマーボーイ」じゃないのか。しかも「GOOD BYE夏」でもなく「男」が入るのか!

2003年に発売された『アロハロ!松浦亜弥写真集』(角川書店)

 モーニング娘。の「娘」といい、つんく♂は漢字の入れ方が斬新。が、この違和感が「大好きだから大嫌い」「本音をわかってほしいけど、そんなに簡単な女のコじゃないから」というアンビバレントを感じて萌える!

 あややはどんなに露出が多い衣装でも、隙がない。鎧のようにパンツスーツを着て、近寄る男を蹴散らすような激しいダンスを魅せていた90年代のコムロ系ヒロインとは、全く逆のシールド。ノースリーブの反逆が眩しく、本当に手強そうだった。

℃-ute矢島舞美の「夏DOKIリップスティック」

 手強そうなのはあややだけにあらず。ハロプロ楽曲の多くは、あどけないながらも自立心旺盛な女の子たちの「決心」が描かれていて勇ましい。

 モーニング娘。の妹分としてデビューしたBerryz工房の「ジリリキテル」は蒼い季節の卒業を思わせるし、℃-uteのリーダー、矢島舞美が歌う「夏DOKIリップスティック」は背筋を伸ばし、夏の街を闊歩する女の子が見える!

日本武道館でライブを行う℃-uteのメンバー(2013年撮影) ©時事通信社

 矢島舞美の鼻声と躍動感が素晴らしい。私は定期的にこの歌の動画を観る。バネのようにしなやかに歌い踊る彼女の姿を見て、勝手に若さとエナジーを補給した気分になっている。