文春オンライン

亡国のフジロック2021、「反知性」「反政府」「反権力」による祭典と化す

2021/08/25
note

感染対策を徹底するならばイベント開催もやむなし

 いや、フジロック開催すること自体はいいんですよ。

 ちゃんと感染症対策を打っているならば。

 フジロックなのになぜか苗場を会場にされてしまった新潟県も、環境省ともどもイベントの後援に入っていますし、主催者にコロナ感染拡大防止対策を徹底するようちゃんと要請をしています。

ADVERTISEMENT

フジロックフェスティバル開催にかかる新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策を主催者に要請しています(新潟県観光企画課)
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kankokikaku/1657021000324.html

 つまりは、東京オリンピックもプロ野球の試合もフジロックも、きちんと主催者が観客が密になり過ぎないように手配し、距離をあけ、大声をあまり出さず、正しくマスクを装着して感染症対策を行うならば、イベントを開催することもやむなし、という方針に乗っかっているわけですね。

「フジロックフェスティバル」の会場に入る観客たち ©️共同通信社

「帰省を控えてね」という話をよそに、なぜこんなことに

 もちろん、コロナ感染の拡大を防ごうとするならば、イベント自体を無観客にするか中止にしてね、人流を抑えてね、という話になるべきです。実際、今回の会場こそ新潟県ですが、地域の夏の観光売上を考えたらカネの観点からフジロック開催を決断しなければならないのはギリギリ理解はします。

 そのフジロックに集まった人たちは東京圏から6割という数字を見ると、政府が「帰省を控えてね」という話をよそに、どうしてこんなことになってしまったのかと思わずにはいられません。これで新潟県で感染爆発にならないといいのですが。

フジロックフェスの人出、6割は東京から 地元は5%:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASP8R5H8WP8RULEI003.html

 そういう人が集まってコロナに感染して高熱を出しても、医療機関は人命を守るために、可能な限り受け入れてくれようとしています。こういう界隈からなるだけ距離を置いて身を守ろうにも、どうにもならない感染経路での貰い事故もあり得ることですし、くれぐれもできる限りの感染症からの防衛を皆さんが徹底されることを祈ります。

INFORMATION

 ついにこの日が来てしまった……。文春オンラインの謎連載、特にタイトルがあるわけでもない山本一郎の痛快ビジネス記事が待望の単行本化!

2019年5月15日発売!!

 その名も『ズレずに生き抜く 仕事も結婚も人生も、パフォーマンスを上げる自己改革』。結婚し、出産に感動するのもつかの間、エクストリーム育児と父父母母介護の修羅を生き抜く著者が贈る、珠玉の特選記事集。どうかご期待ください。

亡国のフジロック2021、「反知性」「反政府」「反権力」による祭典と化す

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー