終始「首相になりたい女」でしかなかった
さきの衆議院総選挙で小池百合子氏率いる「希望の党」が大敗してから、早2週間あまり。小池代表は希望の党内での求心力もすっかりなくなり、今後は「都政に専念する」のだそうだ。都知事には、日本のリーダーとしていくらでもやるべき仕事がある。だが、選挙の開票を待たずにパリを訪問した小池氏は、終始「首相になりたい女」でしかなかった。私は現地で小池氏に密着取材し、国際社会における小池氏の「限界」を感じた。その理由を、あらためて紐解きたいと思う。
小池氏のパリ訪問の目的は2つ。1つは「世界大都市気候先導グループ(C40)」の運営委員兼副議長として、環境先進都市・東京の取り組みをアピールすること。もう1つはニューヨークのブルームバーグ前市長らが主催し、世界の主要都市のトップや企業経営者らが、経済や交通など都市が抱える問題を議論する「CityLab2017」に参加することだった。後者は、キャロライン・ケネディ前駐日大使がブルームバーグ氏に直々にかけあい、小池氏とOECD(経済協力開発機構)のグリーン成長モデル都市である北九州市の北橋健治市長の招待が実現したようだ。
実は、パリ訪問を前に、国際社会が寄せる東京そして小池百合子都知事への期待は案外大きかった。
昨年11月、C40の副議長に選出されたとき、小池都知事は、アジア地区の代表となる「パワフルな女性市長」と紹介されている。「クールビズ」を発明した環境大臣の経験もあり、女性進出のシンボルそのもの。「CityLab2017」やOECDのフォーラムでは、主催者挨拶などに次ぐベストポジションを用意されていたのだ。
実際にはどうだったのか。各会場で取材をした私は、小池氏が演じる「ナショナル・ポリティシャン」ぶりにひどく落胆してしまった。とりわけ「CityLab」での振る舞いには驚いた。