Q 選挙中の政治家からホンネを引き出すコツは? 

 池上さんの選挙特番を、いつも楽しみにしています。選挙戦真っただ中や投票締切直後の政治家から本音を引き出すために、何か意識していること、コツはありますか。(50代・女性・主婦)

A 敢えて失礼な質問もためらわない、ということでしょう。

 敢えて失礼な質問もためらわない、ということでしょう。たとえば今回、希望の党の小池百合子代表に、移動中の車の中でインタビューしました。ここで、「緑のタヌキと呼ばれていますが」と聞きました。これは、かなり失礼な質問です。相手を「タヌキ」呼ばわりしているからです。

 ここで怒れば、その人の度量は、その程度のもの。ところが小池代表は、次のように返したのです。

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「そうよねえ。私はキツネというよりはタヌキのタイプね」

 まったく動じません。「これぞタヌキ!」と思ってしまいました。したたかな政治家の横顔を視聴者に見せることができました。

小池百合子代表 ©文藝春秋

 一方、自民党の二階俊博幹事長へのインタビューでは、多くの視聴者が二階幹事長の態度に唖然としたのではないでしょうか。終始憮然とした表情で横を向き、私の質問に正面から答えようとはしませんでした。典型的な傲慢さです。

 これぞ、メディア対策など考えたことのない古いタイプの政治家であることを雄弁に物語っていました。

 相手にわざと失礼なことを聞いて、本音を引き出す。これも、ひとつの手法です。

 ただし、日常生活でこれをやっていると、友人を失いますからご注意を。

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