Q 高市首相の「憧れの人」、マーガレット・サッチャーとはどんな人?
高市首相が「憧れの人」と公言する、イギリス初の女性首相で「鉄の女」とも言われたマーガレット・サッチャー氏。昨年は生誕100周年でもあり、あらためて注目が集まりましたが、「今なお評価を二分する人物」という指摘も耳にします。池上さんはサッチャー氏の人物像、評価について、どのように見ていますか?(30代・女性・フリーランス)
A 弱肉強食社会を作ったという批判があります
いまのイギリスの格差社会をもたらした首相です。個人の自由と自己責任を重視した新自由主義者でした。
保守党から国会議員になり、教育科学大臣当時は、学校給食に出ていた牛乳について、「牛乳くらい自宅で飲みなさい」と言って廃止し、「ミルク・スナッチャー」(ミルク泥棒)と批判されました。
首相になってからは、新自由主義の立場から規制緩和を進める一方、労働組合を弱体化させることに尽力。停滞していた経済は上向きました。ただ、それまで確かに労働組合の力が強すぎたとはいえ、弱肉強食社会を作ったという批判があります。
1982年、アルゼンチン沖合のイギリス領フォークランド諸島がアルゼンチン軍によって占領されると、直ちにイギリス軍を派遣してアルゼンチン軍を打ち破ります。このとき軍を派遣することを閣議決定しようとした際、「そんなことをしたら戦争になる」と消極的だった男性大臣たちを睨んで、「この中に男はいないのか」と凄んだというエピソードがありますが、事実かどうか疑問が残ります。でも、「いかにも鉄の女らしい」というエピソードになっています。
サッチャー氏が亡くなったとき、イギリスでは「惜しい人を亡くした」と悼む人と、「やっと魔女がいなくなった」と喜ぶ人がいました。
高市総理は、こういう人物に憧れているのです。




