「セックスはオリンピック精神だ」 。ある金メダリストは、米CNNの取材に答えて、こう宣言した。
世界最大のスポーツの祭典たる五輪だが、選手たちが「夜のオリンピック」に励んでいるといった疑惑も毎回話題になっている。主な理由は、委員会によるコンドームの大量配布。今回のパリ五輪の選手村では、約1万4000人の選手とスタッフに対して22万個もの避妊具がくばられる。
「それまでの人生分以上の性交をした 」と語る選手も
配布がはじまったのは、1998年ソウル五輪とされる。その後、7万個を用意しても足りなくなった2000年シドニー五輪以来、配布数は10万をこえるようになった。
公式的に、避妊具は啓発用だ。世界中の選手がコンドームを持って帰れば性感染症防止精神が広まるというわけだ。しかし、選手の性行為用だとする証言も出てきている。前出の金メダリストは語る。「IOCは認めないけど、事実だから隠さないよ。じゃないとあんな大量のコンドーム配らない」 。1992年バルセロナの2週間で「それまでの人生分以上の性交をした」と告白する英卓球選手マシュー・サイドにいたっては、五輪を「セックスフェスティバル」と表現した。
「選手の70~75%はオリンピックで関係を持っているだろう」 。こう語ったのは、6つの金メダルに輝いた米水泳選手ライアン・ロクテ。同じく金メダリストである米サッカー選手ホープ・ソロも、「選手村ではたくさんの性行為が行われている」と明かす。ソウル五輪の選手宿舎の屋根に大量のコンドームが並べられて以来、野外の性行為は禁止されているが、それでも芝生やバルコニーでみだらな行為が行われているという。
生涯トレーニング漬けのトップアスリートたちにとって、日常から解放されるオリンピック村は特別な空間のようだ。交流の場になるのは食堂とバーコーナー。みんな選手だから、一般的なナンパのように話題に困らないし、言葉が通じない相手との性的関係は刺激にもなる。さらに、ほとんどが若く、美形で、エネルギーがありあまる独身だ。
薄着で闊歩する者であふれる練習場周辺では、ティーン女子すら水球や柔道男子のたくましい身体つきを見てわきたつ。女子に人気なのはマイケル・フェルプスのような選手だというが、サイドいわく負け組にもチャンスがある。「オリンピアンたちは、顔が微妙だったとしても、良い身体を持っている」 。シドニー選手村で毎日何人もの女子が部屋を訪れたというモテ男、米国のやり投げ選手ブロー・グリアはそう語る。