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拝啓 涌井秀章様 “愛の波動砲”G.G.佐藤からの手紙〜ここから楽天が優勝する方法を考えたの巻

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/09/24
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 拝啓 涌井秀章様

 秋晴の候、わくわくさん、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

 8月と共に短い夏が終わり、気がつけばもう9月下旬。来月にはシーズン終盤戦のなかでドラフト会議が開催され、六大学野球は秋季リーグが開幕しました。そうそう、今年から僕は、母校・法政大学の解説をAbemaさんでやらせてもらうことになったよ。わくわくさん、暇なときに観てね。コメントしてくれても良いんだよ?

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©G.G.佐藤

やっぱり必要なのですよ、涌井投手が

 そして、楽天イーグルスは、9月24日時点で首位ロッテと5ゲーム差、2位オリックスと2.5差を付けられています。もう、ほんと崖っぷちだよね。でも、まだ諦めるには早すぎる。とりあえず、4位ソフトバンクと3ゲーム差を付けているので、よほどのことがない限り、CSには出場できるでしょう。ともすれば、短期決戦では投手力が物を言いますから、楽天にもワンチャンあるんじゃないかと思っています。わくわくさん、マー君、岸投手、則本投手、早川投手、瀧中投手とスクランブルも含めた布陣で実力を発揮すれば、東北から下剋上も可能と踏んでいます。

 まあ、そうは言ってもやはりペナントを制する、リーグ優勝するというのは特別なものだし、首位と5ゲーム差があってもそこを目指して欲しい。そして、まだイケる……はず。選手時代の体感を思い起こせば、やはり3ゲーム差というのが一つの壁な気がします。3ゲーム。確かに大きな差ですが、1カードつまり3連戦でひっくり返すことができる。そして、目の前には2位オリックスと3連戦が控えているわけで、ここで機運を高めて行ってもらいたい。ちなみに、首位ロッテとも10月1日から本拠地で3連戦を残していて、そこが最後のチャンスになるでしょう。まさにラストチャンス。

©時事通信社

 まとめると、本日9月24日からオリックスと3連戦、その後ホームに戻って、最下位の日本ハムと3連戦、続いてロッテとの3連戦となるわけです。ここを『丑ハム鴎9番勝負』と名付けて、2~3敗に抑えることができれば優勝への最後の光が差し込むと考えているわけです。そして、これを実現させるためにはやっぱり必要なのですよ、涌井投手が。

 最近はファームで調整を続けているわくわくさんですが、そろそろ戻ってきて欲しいというのが全楽天ファンの願いではないでしょうか。思い起こせばシーズン前半は、マー君がいなかったにも関わらず、君の大活躍で楽天は首位を走ることができました。シーズン終盤になってくると、投手野手関わらず、みんな疲れが見えてくるものです。その中で、しっかり調整したわくわくさんが出てきてくれたら、巧みなピッチングで必ずゲームをつくってくれると信じています。

“巧み”で思い出したけど、先日は西武の栗山巧選手が2000本安打を達成したね。大記録達成のときには、わくわくさんも大喜びしてくれて、コメントを読んで僕も、多幸感に包まれました。今年は、涌井くんの通算150勝に、クリの2000本安打達成。おかわり中村くんは、歴代15位で秋山幸二さんの記録に並ぶ437号ホームランを打ちました。かつての仲間たちが大きな記録を達成するたびに、心からの喜びと、遠くに行ってしまったような、ほんの少しの寂しさを感じるG.G.です。

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