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平田真吾のど真ん中勝負にしびれた秋の夜…ベイスターズの未来を担うのは誰だ

文春野球コラム ペナントレース2021

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ストッパーというチームの命運を託すポジションにどのような判断を下すのか

 まぁ、そうなると、なんというか。やっぱり、どうしても今最大の心配ごとになってしまうのがリリーフになってしまう。そう。ベイスターズは昔から良くも悪くも、抑え投手がエース的な存在になってきたチームだ。遠藤一彦、斉藤明夫、大魔神に山口俊。そしてDeNAになってからは山﨑康晃がジャンプしながらいろんな面で引っ張って来た。

 そんなこのチームの命脈が、ここ最近の終盤はずっとモヤモヤが晴れないままでいる。昨夜もあれだけ前半に打って7対0のワンサイドから、結局最後は下手すりゃ逆転のところまで追いつめられてしまった。

 試合後の両軍を見れば、敗れて尚意気軒高なヤクルト陣営に比べ、横浜側に漂うなんともいえない心許なさ。昨日はたまたま平田という豪胆なお侍さんがいてやっつけてくれたけど、また村を襲われたら俺たちたまったもんじゃねぇよ……という底知れぬ不安は、やはり最終回誰が投げるのかが揺らいでいることに尽きる。

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 開幕から抑えを務めてきた三嶋一輝は9月15日の巨人戦で3度目のリリーフ失敗。配置転換となり、今季はスタートから中継ぎでいい働きをしていた山﨑康晃が1年ぶりにストッパーに返り咲いた。しかしその康晃も26日の広島戦で4失点を喫して逆転負けを喰らうと、それ以来の登板となった昨日も、打者3人に二塁打2本の1失点。尚、1死二塁で降板となった。

 ストッパーが途中で降板する姿はいつも哀しい。“ブルペンで一番いい投手”として、打たれたらしょうがないと逆転負けされるならまだしも、完全に殺されることもなく舞台から退場させられることは悲劇だ。見ていても苦しくてしょうがなかった。

 そんなことは百も承知の三浦監督が、この先、ストッパーというチームの命運を託すポジションにどのような判断を下すのか。調子や相性でその時々決めればいいんじゃないのと思ってしまうのだが、そういう簡単なものでもないんだろう。

 この先の采配であり、三嶋・康晃の復調がベイスターズの未来を大きく占うような気がしている。“小さな大魔神”山﨑康晃とエース番号「17」を背負った三嶋一輝。20年後には、佐々木主浩と盛田幸妃のWストッパーと同じように歴史的な抑えとして語られているはずである。

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