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 こんな呪文みたいな注文をされても普通わからないじゃないですか。そもそも渋谷や80という数字がどこからきたのか意味不明だし……。なのに、呪文を理解できない新人のアルバイトがいたりすると、「なんでわからないんだよ! 俺が言っている意味をくみ取ろうとしないわけ?」と説教し始める。

「もう二度と来ねえよ、こんな店!」

──たしかに、忙しい早朝には来てほしくないお客さんです。

松本 うちの店だけじゃなく、近隣のセブン-イレブンにも全部行っているみたいです。しかも、レジ前に何人も並んでいるのに長々と世間話をしたがる。塩対応すると怒り始めるのでテキトーに相手をするんですが、対応しすぎると粘着されるし。ただ、そのおじいちゃんは少し前にぱったりとうちの店舗に来なくなってしまったんです。

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──ぱったりと来なくなった? 何があったんですか。

松本 早朝のバイトの間では「シブタニ」について共有していたんですが、あるとき別の時間帯のバイトがシフトに入ったんですね。だから「シブタニプラス80」がわからず、そうしたらおじいちゃんが「なんでわからねーんだよ!」とブチ切れてしまって……。

 そのとき別のスタッフが冷たく対応したら、おじいちゃんが激怒して、「もう二度と来ねえよ、こんな店!」と捨て台詞を残して出ていってしまったんです。いまから1カ月ぐらい前の出来事なんですが、本当にそれ以降来なくなっちゃいました。

話し相手がいない高齢者がコンビニ店員をはけ口に…

──ほかにどんな迷惑客の高齢者がいるんですか。

松本 挙げていくとキリがないですけど、迷惑度でいえば、「息子自慢おじいちゃん」と「クッキー割りおじいちゃん」の2人ですね。「息子自慢おじいちゃん」は清潔感のある老紳士で、言葉使いもすごくていねいなんですが、消費期限が切れている食品、たとえば漬け物なんかを見つけては忙しいときに店員にネチネチ指摘してくるんです。

──消費期限切れを責められると店舗側も平謝りせざるをえません。

松本 消費期限は深夜帯のバイトが管理していて、それを早朝帯のバイトがチェックするダブルチェック体制なんですが、深夜は業務が多いのでどうしても後回しになることもある。で、早朝のバイトがチェックする前のタイミングでそのおじいちゃんがやって来て「これ、期限が切れていたよ。こんな商品を売るつもりだったの?」と絡んでくるんです。