9月9日、政府は緊急事態宣言を19の都道府県で9月30日まで延長することを発表した。その陰で、国民のワクチン接種は急ピッチで進められている。

「サッカー元日本代表の内田篤人さんを広告塔にしたテレビCMを国が放送するなど積極的な接種を呼びかけており、未接種の20代、30代も多いものの、確実に効果も出ています。9月末までが最後の緊急事態宣言期間になるのではないかという観測もあり、ワクチンの接種を条件に酒類提供が解禁されるという具体的な議論も始まりました」(全国紙政治部記者)

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 一方でワクチンをめぐっては「副反応が想像以上にきつかった」という声も多い。厚労省などによると、接種後に注射部位の痛み・腫れ、疲労、頭痛、寒気、下痢や発熱などが報告され、症状が数日続くケースも多い。そしてアナフィラキシー(強いアレルギー反応)の報告例もある。

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 厚労省の審査会は8月中旬、アナフィラキシーなどを起こした22~66歳の29人について、健康被害を初認定した。ワクチン接種によって重大な影響が出たことを国が認め、かかった医療費を給付する仕組みも動き出している。

「呼吸ができず、気管支切開の寸前で」

 関西地方に住む医療従事者の原田直子さん(49・仮名)も、重大なアナフィラキシー症状で生死の境をさまよった1人だ。

ワクチン接種の副反応で生死の境をさまよった原田さん

「2回目のワクチンを打ってすぐに強い副反応が出ました。呼吸ができず、気管支切開の寸前で、死んでしまってもおかしくなかった。アナフィラキシーの症状を抑えるアドレナリンを通常の何倍も打ちました」