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 2度のICU治療と入院で、かかった費用は健康保険の3割負担でも40万円を超えたので、総額では100万円を優に超えている。高額医療費制度の申請をした上で、前述の「予防接種健康被害救済制度」を申請する予定だが「もしかしたら1回目の入院分しか出ないのかもしれない。それも含めて、ワクチンの副反応に苦しんだ人がどのようにしているか、情報が少ないんですよね」と心配は絶えない。

多くの人の報告が国に上がっていない?

 厚労省は8月25日の専門部会で、ワクチン接種によるアナフィラキシーの副反応の件数を明らかにした。同月8日時点までの報告で皮膚や呼吸器、循環器の症状などに基づく国際基準に該当するアナフィラキシー症状は、ファイザー製が約9065万回の接種に対して405件、モデルナ製は約1226万回の接種に対して9件。確率にすると、10万~25万人に1人ということになる。しかし原田さんは、ワクチンに関する報道や国からの発表が不十分だと感じている。

原田さん

「私のケースはさすがにアナフィラキシーと認められていますが、ある程度重い副反応の人でも国が出している数字には含まれていません。私が務める病院では20人ほどが同時期に接種を受け、同僚の中でなんともなかった人は2人しかおらず、発熱や蕁麻疹など皮膚の症状や、程度は軽い呼吸障害が出た人もいました。しかし多くの人は職場に連絡するくらいで、国や自治体には報告があがっていないんです」

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 原田さんの20代の長女も医療従事者ですでに接種したが、高熱が出たという。

「若者が発熱しやすいというデータがあり、20代女性だと2人に1人は発熱するようです。ただ、それでさえ控えめな数字という気もしますよね。娘は医療従事者なので副反応で発熱があったことを勤務先の病院に伝えていますが、病院から国に報告する仕組みはありません。私の40~60代の同僚も発熱は多く、中程度のアレルギー反応が出た方もいます。打つのは怖いけれど、コロナの収束を願って我慢して打っている人もいる。そのことを国はもっとよく考えて、しっかりと説明をして、1人でも多くの人が納得してワクチンを打てるようにするべきだと思います」

 ワクチン接種率は急速に伸びているが、さらなる普及のためには不安を抱えて接種を躊躇している層にも納得できる調査と対処が問題になりそうだ。