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お約束の「ネットの闇」と書くよりも大切なことは

 読売新聞には次の記事が。

「SNS 自殺対策を強化 厚労省など相談サイトに誘導」(11月4日 夕刊)

《今回の事件を受け、厚生労働省や自殺防止に取り組む民間団体は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上での自殺志願者に対する支援を強化する方針だ。》

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 さらに民間の活動も。

《自殺志願者の相談を受けている民間団体も、SNSを使った自殺防止策の強化に乗り出している。》

《「今回の事件では、『死にたい』と投稿した人に悪意が届いてしまった。悪意に支援の力が負けないよう、ネット上に相談相手を求める人たちの受け皿を増やすことが急務だ」》

《「学校にも家庭にも居場所がなく、お金もない10代が逃げ込むのはネットしかない。私たちのサイトに逃げ込んでもらえるように認知度を高めたい」》

 という民間団体の関係者のコメントを紹介している。

事件のあったアパート前 ©時事通信社

 今回各記事で、ネットで「死にたい」とつぶやく利点もあることを知った。知らない誰かと会話することで救われることもあるのだ。なら、悪意が向かってきたときどうするか。

 容疑者の過去よりも、「ネットの闇」とかお約束を書くよりも、追いつめられて弱っている人が今後「救われる」記事をたくさん発信してほしい。