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 イキってるんですよ、たしかにイキってるんですけどそう思われたくはないんですよ。車に乗り込んだときはサングラスかけて洋楽流してテレビ局に向かうのですが、テレビ局が近づくにつれて緊張して、徐々に洋楽の音を落として警備員さんの前では完全に洋楽は消えています。

 もちろんサングラスも外しています。そして見たことないくらいいい姿勢でハンドルは10時10分の位置で握り、聞いたことないくらい細い声で後藤です、と伝えております。

 ここでサングラスをかけて洋楽を流したまま後藤ですって伝えれたら気持ちいいんですけどね。どうしてもそれはできません。

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 できなくていいのか。警備員さんにはそんな姿見られたくないし知られたくないですもん。

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警備員さんが「小説現代」を読んだらどうする

 でも後藤ちょっと待てと。これが書いてある「小説現代」が発売されるわけだぞと。この「小説現代」をその警備員さんが読む可能性もゼロじゃないぞと。局によって違う警備員さんだし、それぞれの局にもたくさんの警備員さんがいるわけで、読む可能性は大いにあるぞと。なんでそんな恥ずかしいことを書いてるんだ後藤。もしこれを読んでくれた警備員さんがいた場合、背筋伸ばして細い声で後藤ですと言った方が笑われるんじゃないかと。そう思っている人多いですよね。

 でもこれは大丈夫なんです。

 なぜかというとですね。警備員さんてガテン系じゃないですか。警備というくらいなので頼りがいのあるマッチョの強い人がやる仕事じゃないですか。僕が見ている局の警備員さんもそういう方ばかりです。細い人も脱いだらきっとすごいです。

 だから安心してるんです。ガテン系は本読みません。いまごろ筋トレしてます。なので堂々と書かせていただきました。

 僕の知り合いのガテン系に本読む人いません。

 むしろ知り合いにガテン系がそんなにいません。

 ですがもし、もし読んでいるガテン系の方がいらっしゃったら、この話は忘れてください。

(【続きを読む】「都築は緊張に弱い。しかしここまでとは」 四千頭身・後藤拓実が語る‟キングオブコントの予選に出たときのこと”)

これこそが後藤

後藤 拓実

講談社

2021年9月8日 発売