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 それにしても同じ「日和見」なら河野太郎も「当たり障りのない主張を並べることで敵をつくらず」という岸田氏の姿勢を見習ったほうがいいのかもしれない。総裁選の決選投票は日和見VS日和見だった。

 一方で私が注目したいのは岸田氏の次の部分だ。当選直後の壇上スピーチで「民主主義の危機」とか「特技は人の話をしっかり聞く」と言っていたこと。

 これってどう考えても安倍晋三・菅義偉をディスっていませんか。会場の自民党議員たちはヒヤヒヤしたと思うが岸田本人はあっけらかんと言っていた。普段は安倍氏に気を使っているようなのに、たまにいきなり明言する岸田文雄。

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 もしかして、天然なのか……?

自民党総裁選に出馬した河野太郎、岸田文雄、高市早苗、野田聖子 ©JMPA

 そういえば今回の出馬会見でいきなり二階幹事長の再任拒否という先制パンチを放ち「今年の岸田は違うぞ」という印象を残した。大胆なことも言えるようになったのかと。

岸田文雄の“大きな弱点”とは

 岸田氏の二階外しは予想以上にウケて二階氏も菅氏も慌てたが、しかし、言った岸田本人も反響にびっくりしていたフシがあった。あれも天然のなせるわざと考えたほうがよいのだろうか。安倍・麻生・甘利の言うことを聞きつつ、自分のやりたいことを思わずやってしまう天然な展開があったら見直されるのかもしれない。

 だが岸田氏には大きな弱点がある。地元・広島の中国新聞が9月23日に一面トップで大きく報じたこの件だ。

『1億5000万での買収否定 自民 河井夫妻事件で説明』

 自民党の柴山昌彦幹事長代理は、

《2019年の参院選広島選挙区での大規模買収事件を巡り、党本部が元法相の河井克行被告(58)=公選法違反罪で一審実刑、控訴=らの党支部に提供した1億5千万円について「買収資金になっていない」と述べた。一方、巨額の資金投入が決まった経緯は明らかにしなかった。》