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 中国新聞はこの点について「金権選挙」の闇晴れず、と書き、

・一体、誰が巨額の資金投入を決めたのか

・なぜ同じ選挙区に立候補した別の党公認候補の10倍の資金を投じる必要があったのか

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・結果的に河井夫妻による現金の「ばらまき」を誘発したのではないか

 と指摘した。 

河井案里 ©文藝春秋

 そもそも同じ選挙区に自民党の溝手顕正がいたのになぜ「新人」(河井案里)がわざわざおくりこまれたのか? こちらの記事を読めばわかる。

『「首相の責任」「もう過去の人」 安倍首相はかつてこき下ろされた“あの男”を許さない』(週刊文春 2019年6月27日号)

 かつて、安倍氏は広島が地盤の溝手氏(岸田派)に痛烈に批判されたことがあった。

《安倍氏は、そうした恨みを片時も忘れない。》

 こんなにわかりやすい理由だった。新聞もこう伝える。

《河井氏は首相や菅氏に近い河井克行・党総裁外交特別補佐の妻で、菅氏が出馬を後押しした。》(日本経済新聞2019年7月23日)

地元の声を「聞く力」はあるか

 溝手氏に対して官邸が放った刺客と言われたのだ。このあと出たのが、河井案里陣営が昨年7月の参院選で、党本部から1億5千万円の資金を受け取っていたという報道である。官邸の力の入れ具合が「金額」で証明された。

 岸田氏はよりによって自分の派閥の仲間が狙い撃ちされたのに、この件についてなぜか今は無口。

 広島県連ナンバー2の中本隆志・県議会議長は、

《河井夫妻が作成した資料を検証することもなく、1億5千万円について「買収資金ではない」などと公表したことを問題視。「説明責任から逃げている」と党本部の姿勢を批判した。》(朝日新聞9月30日)

 記事のタイトルは『岸田さん、この声聞いて』

 岸田さんは地元の声を「聞く力」はあるのでしょうか。