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――漫画で些細なことで時にギクシャクすることがあったと描いてありますが、これらは振り返るとジェンダー的な問題が起因していたのでしょうか?

つしま ゲームをメッチャやっていて、ちっとも私の話を聞かないとか。

わふこ ああ、あったね。ネトゲにはまってしまって。無理くりジェンダーとかに絡めて言えば、男のふりをしていたストレスから逃避するみたいな感じだったのかなという解釈もできるんですけど。

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つしま 意識して現実逃避しているようには見えなかったけど、のめり込んでましたね。

本心を明かしきれない……カミングアウトするまでの結婚生活

――結婚8年目で、わふこさんは「本当は中身が女性で」「これから女性として生きていきたい」とつしまさんに告げられています。それまでの8年、どういった想いを抱いていたのでしょう?

わふこ ジェンダーのことに限らず、どこか本心を明かしきれないところがありましたね。絶対にしゃべりたくないと思っていたわけじゃないんですけど、いまの自分の状態で何を言っても嘘じゃないかという。自分の気持ちみたいなものをハッキリと感じたとしても、本当に自分がそう心の底から思っているのかと考えちゃって。

夫は実は女性でした』より

「ペラペラの自分がそう思っているだけじゃないのか?」「本心からそれって言える?」「これ、違くないか?」みたいなのがあって、あんまり喋ろうという気にならなかったんです。

つしま やっぱり、いまのほうがいろいろと自分の気持ちとか話してくれる感じがしてますね。柔らかくなったというか、緊張が取れているような話し方になったような。

漫画は「描いちゃいなよ」と後押し

――つしまさんが友人に「夫は実は女性だった」と話したら「なかなかない人生だね!」「エッセイまんが描いちゃえよ!」と勧められ、漫画の執筆とTwitterへの投稿を始めたとあります。この経緯は1ページ4コマで説明されていますが、おふたりのなかに葛藤や逡巡みたいなものは。

夫は実は女性でした』より

つしま あった?

わふこ 「やっちゃえよ、やっちゃえよ」みたいな。ワタシ的には「描いちゃいなよ」みたいな感じでした。

つしま 自分のことが漫画になるのが面白かった?

わふこ それもあるし、作業をすることで自信みたいなものがついてくれたらいいかなっていうのとか。

つしま 自信って、私の? そうなんだ。私が漫画を描いてTwitterにそれを上げて、いい感じになったらいいなっていう?

わふこ 社会との繋がりというか。