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離婚しないと性別を変えられない、手術の費用は…「夫が女性」のカップルが直面した“制度の壁”

津島つしまさんインタビュー #2

2021/10/16

 結婚8年目のある日、夫に「中身が女性」だと告白された妻。

 エッセイ漫画「夫は実は女性でした」で描かれるのは、妻で作者である津島つしま、夫であったわふこが一緒に歩んでいこうとする姿だ。

 わふこ氏が受けた性別適合手術、ふたりで一緒に生きるためにあえて選んだ離婚、トランスジェンダーとそのパートナーとして遭遇する不自由などについて詳しく話を聞いた。(前後編の後編/前編から読む)

夫は実は女性でした』より

泣きそうになりながら自分史を書いた

――わふこさんは性別適合手術を受けられていて、前段階となるホルモン療法などについては単行本、手術についてはTwitterでその詳細が描かれています。ホルモン療法を受けるには性同一性障害の診断が求められ、医師の面談と共に自分史の作成などをするとのことですが、自身を見つめ直すことでいろいろな感情が噴出してくるのではないかと思ったのですが……。

わふこ ちょいちょい泣きそうになりながら書いてた。

つしま あ、泣いてたっけ? あんまり覚えてないんだけど。

わふこ 号泣までじゃなかったけど。思い出して書かないと、前に進めないから。避けては通れない道みたいな感じ。でも、なんとか書いて。

夫は実は女性でした』より

コロナ禍での通院、手術

――コロナ禍で来院頻度を少なくするために、ホルモン注射からパッチを貼ることに替わったそうですね。注射とパッチでは、効果にそれほど差はないものなのでしょうか?

わふこ 特に説明はなかったですけど、やっぱり注射のほうが効きそうだなという印象はありました。でも、血液検査の結果とかを見ると、女性ホルモンの数値みたいなものはパッチのほうが増えてました。

つしま イメージ的には、注射のほうがバーンとぶち込んでる感じがあって効きそうなイメージがありますよね。なんか、パッチだとありがたみが薄いとか言ってた(笑)。

――コロナ禍での手術だったそうですが。

つしま 去年の10月に受けました。わふこは手術の当日だけ入院して、手術前日と手術後の合わせて7日間がホテル。付き添いの私は9日間まるまるホテルで、閉じ籠もるように療養していましたね。

わふこ コロナ禍の影響で海外に行って手術できないので、国内での手術の予約数が増えてるみたいなことを先生から言われました。ワタシはもともと国内での手術を希望していて、最初にジェンダークリニックに電話をした時に「全部やります」といってもらいました。

つしま その病院でホルモン療法からオペまでのすべてをやるんだったらお受けします、みたいな感じで。