16歳で妊娠、出産を経験し、現在は2人の息子を育てるシングルマザーでありながら、雑誌『I LOVE mama』のモデルとして活躍するふうかさん(26)。10代での妊娠から、育児と仕事の両立まで、彼女の波乱万丈な人生を追った。
ふうかさんが妊娠を知ったのは、高校2年生になってすぐのこと。当時16歳だった彼女は、妊娠検査薬の陽性反応を見て、大きな不安を感じたという。しかし、相手の男性との間で「赤ちゃんが欲しいね」という話をしていたこともあり、産むことには迷いがなかったそうだ。
「びっくりはしたんですけど、相手とも『赤ちゃんが欲しいね』みたいな話はしてたので、産むことに迷いはなかったです。ただ、それを親が賛成してくれるかどうかっていう不安が大きくて」とふうかさんは当時を振り返る。
両親に妊娠を打ち明けた際、最初は怒られたものの、ふうかさんの強い意志と、相手の男性との収入や育児計画を説明することで、最終的には両親の理解を得ることができた。
妊娠中は通信制高校に通いながら、フルタイムでアルバイトをこなすという忙しい日々を送った。そんな中でも、ふうかさんは出産や育児に対する不安をほとんど感じなかったという。
「全然なかったです。相手との関係もすごく良かったですし。逆に不安がないのが不安でした」
そんなふうかさんだが、2人目の子どもが11ヶ月の時に離婚。シングルマザーとして2人の子育てに奮闘することになる。しかし、意外にもシングルになってからの方が楽だったと語る。
「シングルになってからの方が楽だったんですよ。お金にも余裕ができて。以前は勝手に使われたりして、ギリギリでやっていたんですけど、手当とかももらえるようになったし、車のローンだったり車をいじるお金とかもなくなったので、お金は増えましたね」
「育児とモデルどっちも完璧すぎる」との声が
離婚後、ふうかさんはパチンコ店で働き始めたが、モデルになる夢を諦めきれずにいた。そんな中、大好きだった雑誌『nuts』のモデルオーディションに挑戦し、見事合格。出産を経験したことで一度は諦めていた夢を、見事に実現させたのだ。
現在は『I LOVE mama』のモデルとして活躍するふうかさん。2人の子育てをしながらのモデル活動は決して楽ではないが、彼女は前向きに取り組んでいる。
「育児に関して発信できたり、みんなの育児方法を聞けたりするのがすごくありがたいですね」
しかし、ふうかさんは自身の SNS を見た人から「育児とモデルどっちも完璧すぎる」というコメントをもらうことがあるという。これに対して彼女は、
「全然完璧じゃなくて。1日中みてもらえたらわかると思うんですけど、適度に手も抜いているし。サボることもあるし」
と率直に語る。完璧に見える生活の裏側には、日々の努力と工夫があることを、ふうかさんは伝えたいと考えている。
16歳で妊娠、出産を経験し、シングルマザーとなりながらもモデルの夢を追い続けたふうかさん。彼女の歩みは、どんな状況でも諦めないことの大切さを教えてくれる。そして、完璧に見える生活の裏側にある現実を正直に語る姿勢は、多くの人々に共感と勇気を与えているのだろう。
写真=山元茂樹 /文藝春秋

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