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父親の彼女から「別籍届けにサインしろ」「私は許さんけんな」と言われ…トランスジェンダー・ゆうさん(30)が経験した壮絶すぎる“カミングアウト”

『彼氏はもうすぐ男の子』インタビュー#1

 トランスジェンダーカップルとしてYouTubeで発信しているトランスジェンダーのゆうさん(30)とパートナーのみいさん。周囲からの反対を乗り越えて、現在は結婚に向けて、性別を変える準備を進めているという。そんなお2人にこれまでの話を詳しく聞いた。(全2回の1回目/後編へ続く)

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——ゆうさんが最初に性別に違和感を持ったのはいつ頃だったんでしょうか?

ゆう 幼稚園の頃ですね。トランスジェンダーっていう言葉は知らなかったですけど、好きになる子はいつも女の子だったので、周りと違うなと感じていました。

ゆうさん(左)とみいさん ©石川啓次/文藝春秋

 物心ついた頃から、自分のことを「俺」って呼んでいました。服装も男っぽい感じで、スカートは穿いたことなかったです。

——周りの友達に何か言われたりとかは。

ゆう なかったですね。中学生くらいになると、女子で集まって恋バナとかするじゃないですか。そういう時は、適当に嘘ついてみんなに合わせていました。だからその頃の友達は、YouTubeを見て「えーそうだったの!?」って連絡くれましたね。

 母親には高校生の時に「女の子と付き合っているんだよね」って話しました。特に反応はなくて、「へぇ~そうなんだ」っていう感じでしたね。

——「トランスジェンダー」という言葉を知ったのはいつだったんですか?

ゆう 大学生の時です。女友達がいきなり「私、トランスジェンダーなんだよ」ってカミングアウトしてきて、トランスジェンダーってなんだ? と思って調べたら、自分にすべて当てはまって、今までの違和感はこれだったんだって思いました。

 服装とか髪型はもともと男っぽかったんで、外見は特に変わらなかったですけど、気持ちが変わりましたね。すごく楽になった感じでした。

——ご両親にはそのことを話されたんですか?

ゆう 母にはすぐに話しました。理解してくれて「いいじゃん」って言ってくれました。ただ父には、高校生の頃に「女の子と付き合ってるんだよ」って伝えた時に「今だけにしとけ」って言われていたんで、すぐには話せなかったです。「今だけにしとけ」っていう言葉がすごく引っかかっていました。親は親なりにいろいろあるんだと思うけど、ショックでしたね。

——ご両親で異なる反応だったんですね。

ゆう 真逆でしたね。でも大学2年の時に、父にもう一度ちゃんと話そうと思って、「男性として生きたい」ってことをあらためて伝えたんです。