森友学園への国有地売却を巡る財務省の公文書改ざん事件で、夫を亡くした赤木雅子さん(53)が財務省に開示を求めていた関連文書のうち、最初に開示される情報の概要を財務省が初めて明らかにした。安倍昭恵首相夫人(当時)と籠池泰典理事長夫妻のスリーショット写真が近畿財務局に提示された際の応接録はなかった。
財務省担当者は「廃棄されたのかもしれない」
3月19日昼前、財務省の国有財産審理室長が大阪の赤木さんの代理人の事務所を訪れ、概要を記した書面を赤木さんに手渡した上で説明した。
最初に開示される文書は森友学園と財務省との土地取引を巡る文書をファイルに綴ったもので、2000枚余りの分量がある。期間としては2013年6月の森友学園の土地取得要望から売買契約が行われる2016年6月までの文書。概要を記した書面にはこれらの文書の表題が日付とともに並べられている。
森友学園との土地取引を巡っては、2014年4月25日、当時の籠池理事長夫妻が講演に訪れた安倍昭恵夫人を問題の国有地に案内し、その前で3人そろって写真を撮っている。3日後の4月28日、籠池氏は近畿財務局を訪れた際にこの写真を提示し、財務局の担当者がコピーを取って「上司に報告する」と話していたことがわかっている。だが、この時の応接録は今回の書面のリストには含まれていなかった。財務省の担当者は「廃棄されたのかもしれない」と話していた。
段階的に17万枚以上の文書を開示予定
開示される予定の文書は、すでに開示されている応接記録などのほか、まだ公表されていないとみられる内部の打合せ資料なども含まれる。こうした文書にどのような新事実が含まれているかが焦点となる。
今回の説明は、事前に当事者である赤木さんに話をしないまま国会で情報提供するのはおかしいという立憲民主党の川内博史衆議院議員からの指摘を受け、財務省が実施した。財務省は3月19日午後、参議院予算委員会理事会に同じ書面を提出した。また、最初の文書開示は4月上旬をメドに2000枚以上の文書を開示し、その後段階的に17万枚以上の文書を開示することにしている。

文藝春秋が提供する有料記事は「週刊文春電子版」「Yahoo!ニュース」「LINE NEWS」でお読みいただけます。
※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください。