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いま注目の幼児教育「森のようちえん」では、子どもの中の何を育てているのか

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「森のようちえん」を知っているだろうか。モンテッソーリ教育やシュタイナー教育のような新たな幼児教育の選択肢として、いま注目されている。簡単に言えば、園舎の中ではなく、自然の中での活動を主にする幼児教育のスタイルだ。SDGs (Sustainable Development Goals:国連が定める持続可能な開発目標)にも親和性が高い。

 もともと昭和のころから「青空保育」や「おさんぽ会」は全国各地で行われていた。その実践者たちが2005年ごろからネットワークを形成し、2008年には「森のようちえん全国ネットワーク」が設立された。近年、会員数が増加傾向にあり、現在の会員数は個人・団体をあわせて約300。実際にはもっと多くの森のようちえん的保育が全国で行われているはずだ。

©️おおたとしまさ

「森のようちえん」とは

 明確な定義はないが、全国ネットワークとして掲げる「森のようちえん」のコンセプトは以下のとおり。

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1「森のようちえん」とは

 

 自然体験活動を基軸にした子育て・保育、乳児・幼少期教育の総称

 

2「森のようちえん」という名称について

 

【森】は森だけでなく、海や川や野山、里山、畑、都市公園など、広義にとらえた自然体験をするフィールドを指す。

 

【ようちえん】は幼稚園だけでなく、保育園、託児所、学童保育、自主保育、自然学校、育児サークル、子育てサロン・ひろば等が含まれ、そこに通う0歳から概ね7歳ぐらいまでの乳児・幼少期の子ども達を対象とした自然体験活動を指す。

 毎日森の中ですごすスタイルを「通年型」、通常の保育活動の一部に森のようちえん活動を取り入れるスタイルを「融合型」、週末などに定期的に開催されるスタイルを「行事型」と呼ぶ分類もある。

 いまなぜ森のようちえんが注目されているのか、森のようちえんで何が育つのか、森のようちえん全国ネットワーク理事長の内田幸一さんに聞いた。

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