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それでも“反日”を打ち出す理由
それでも、在外公館が日本車を購入していることに対し、与党議員が「国民感情に合う行政ではない」と怒ったのはなぜなのか。
実は、文大統領の支持率は21年9月を境に、下げ止まっている。韓国世論調査会社リアルメーターによると、現在の政権支持率は40%で、圧倒的優位だった与党「共に民主党」の支持率も、保守系野党「国民の力」に押されている。そんな状況の中で、再び「反日」の姿勢を強く打ち出すことが、低迷した支持率を回復させる“一発逆転”のカードに見えたのだろう。
「ノージャパン」は新型コロナウイルスとの闘いに疲れた韓国国民の「思い出の1ページ」として忘れ去られようとしているが、任期が半年余りとなった文在寅大統領の頭の中は、依然として2019年7月当時にとどまっているようだ。文大統領は15日、岸田文雄新首相と行った初の電話会談で、徴用工と慰安婦賠償問題に言及したというのだ。
すでに1965年の日韓請求権協定で賠償問題は決着しており、また、「韓国側が解決策を提示すべき」という日本政府の立場に変わりがないことを十分承知しているにもかかわらず、未だに「ノージャパン」にこだわる――。そんな文大統領に、未来志向的な提案などできるのだろうか。